2021年10月17日 18:45
地形の歩き方ガイドブック
地形散歩のすすめ
東京からじわりじわりと全国へ浸透しつつある「地形歩き」。その発端は「アースダイバー」であり「ブラタモリ」であり「東京スリバチ学会」の活動であると思っています。東京では完全にブームになっているといっても過言でないほど、雑誌やテレビ番組で取り上げられ関連出版物も数多く出版されています。でも、それらは東京限定のものが多く全国に広がっていくにはもう少し時間がかかりそう。ならば、どこの町でも地形を楽しめるガイドブックがあってもいいのでは?という発想からこの本は生まれました。

凸凹からまちを読みとく方法「地形散歩のすすめ」

たとえば旧道や古道、街道ってどの町にも残っていたりしますが、それってこんな点に着目すれば面白いですよということを書いています。

そもそも旧道とか古道、街道って何?というような、学生時代に習ったかもしれないことを各項目の冒頭で整理しています。地形散歩って、学生時代に習った地形を探し歩いていることでもあるように思います。教科書でしか見たことがなかった地形を目の当たりにしてその面白さがやっと理解できたりします。

このページは地溝盆地です。盆地ってそもそもなんだっけ?から書いていますので、難しそうな内容ですが初心者向けにわかりやすく書いたつもりです。高校生でも理解できるようにということを念頭に置いていました。

これは武蔵野台地と山手線。谷が樹枝状に刻まれていますが、細かい谷がある台地とそうでない台地がありますよね。海進と関係があるのですが、スリバチ地形をめぐる時はそれを知っているとより深く地形散歩が楽しめると思います。

武蔵野台地の地形はかなり特殊で他の地域で似た場所はほとんどないと思うのですが、私なりのスリバチ地形の魅力を書いています。

地形だけでなく地質にも触れています。安山岩や花崗岩、礫層やマサ化したガリ侵食など、身近にあるであろう地質の楽しみ方も紹介しています。

この本を一言で言うと、地形の歩き方ガイドブックかも。学生時代に学んだはずの地理・地学の知識を整理し、どこへ出かけても通用する見方・心得が獲得できるそんな本を目指しました。
11月1日頃に書店に並ぶ予定です。よろしければ。

■トークイベントのお知らせ
がくげいラボ×Talkin’ About vol.6
山納洋×新之介『地形/物語散歩のすすめ』
■日時:11/12(金)19:00~
■場所:タイルギャラリー京都(学芸出版社3階)(京都駅より徒歩5分)/オンライン(zoom)
■配信方法:zoomミーティング
※オンライン参加を申し込まれた方には当日までに配信URLをお知らせします。
■主催:学芸出版社
■参加費:
・イベント参加(会場):1,000円 定員:15名
・イベント視聴(zoom):1,200円 定員:80名
・書籍『地形散歩のすすめ』(会場 or zoom)(送料込):2,200円
詳しくは→https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-6-211112/?fbclid=IwAR3ZgTzVsR0iD0DKpwljj3n5usYzy7uB2fDTBwm-Jsw5en0ahAg-99bAL9k
目次
はじめに
第1章 「地形散歩」は町の魅力を読みとく学び場
「地形散歩」のすゝめ
地形の変化から町の景観や歴史を楽しむ
タモリさんから学ぶ「地形散歩」の楽しみ方
目の前の石ころに日本列島誕生のドラマを観る
人と自然との関わりが町をつくっている
第2章「まちなか」で楽しむ地形散歩
上町台地と熱田台地―高低差と歴史の古層を楽しむ
武蔵野台地―世界に誇れる稀有な地形と景観
スリバチ地形―谷を愛でる歩き方
坂道―坂が素敵な景観を創り出す
アースダイバー―古代の海岸線を妄想する
暗渠―町に潜む迷路・ラビリンスの世界
第3章「山地」がつくる地形
山―山はどうしてできたのか
V字谷・先行谷―大地のドラマはここからはじまる
滝―滝は後退し続けるものである
扇状地―水の出口を探そう
伏流水―伏見の女酒と灘の男酒
地溝盆地―断層と断層の間
断層崖―崖を見たら断層を疑え
バッドランド―バッドだが景観はグッド
断層コラム 中央構造線に集まるパワースポットの謎
第4章「河川」がつくる地形
ゼロメートル地帯―ゼロメートルは非安全地帯
三角州―島が生まれていく様子が国生み神話につながる
中洲―鳴かぬなら中洲で待とうホトトギス
河岸段丘―河川によって段々できてゆく段々
天井川―屋根より高い天井川
自然堤防と後背湿地―微高地こそ地形歩きの醍醐味
遊水池―失われた天然の遊水地
第5章「海岸」がつくる地形
砂州―砂の供給先と沿岸流を妄想してみる
海食崖と波食棚―崖を見たら縄文海進も疑え
海成段丘―海岸線の平坦面を疑え
砂浜海岸―町の安心と引き換えになくなっていくもの
第6章「火山」由来の地形
花崗岩―自然が作り出した不思議な岩の形
安山岩・サヌカイト―火山噴火の恵み
凝灰岩―古代人の創作意欲をくすぐる石材
玄武岩・柱状節理―自然の摂理に沿ったハニカム構造の神秘
石ころコラム 無限に跳ねる水切りの石を探せ
第7章「地形」と人の暮らし
古道・旧道・街道(上)―くねくね道は自然の曲線
古道コラム―古道の中の古道
古道・旧道・街道(下)―断層が道を導く
古墳―妄想力が古墳の魅力を高める
水車―川は永遠に続く動力源
「地名」は土地の記憶―土地への愛着が地名を残す原動力となる
水と暮らし―水に流して心も浄化
石切場跡(大坂城)―時間が止まった森
石切場跡(古墳)―手作業に限界はないのかもしれない
温泉―地獄と極楽は隣り合わせ
環濠集落―生きるために地面を掘る
焼き物―奇跡の焼き色スカーレット
おわりに
地形散歩のすすめ
東京からじわりじわりと全国へ浸透しつつある「地形歩き」。その発端は「アースダイバー」であり「ブラタモリ」であり「東京スリバチ学会」の活動であると思っています。東京では完全にブームになっているといっても過言でないほど、雑誌やテレビ番組で取り上げられ関連出版物も数多く出版されています。でも、それらは東京限定のものが多く全国に広がっていくにはもう少し時間がかかりそう。ならば、どこの町でも地形を楽しめるガイドブックがあってもいいのでは?という発想からこの本は生まれました。

凸凹からまちを読みとく方法「地形散歩のすすめ」

たとえば旧道や古道、街道ってどの町にも残っていたりしますが、それってこんな点に着目すれば面白いですよということを書いています。

そもそも旧道とか古道、街道って何?というような、学生時代に習ったかもしれないことを各項目の冒頭で整理しています。地形散歩って、学生時代に習った地形を探し歩いていることでもあるように思います。教科書でしか見たことがなかった地形を目の当たりにしてその面白さがやっと理解できたりします。

このページは地溝盆地です。盆地ってそもそもなんだっけ?から書いていますので、難しそうな内容ですが初心者向けにわかりやすく書いたつもりです。高校生でも理解できるようにということを念頭に置いていました。

これは武蔵野台地と山手線。谷が樹枝状に刻まれていますが、細かい谷がある台地とそうでない台地がありますよね。海進と関係があるのですが、スリバチ地形をめぐる時はそれを知っているとより深く地形散歩が楽しめると思います。

武蔵野台地の地形はかなり特殊で他の地域で似た場所はほとんどないと思うのですが、私なりのスリバチ地形の魅力を書いています。

地形だけでなく地質にも触れています。安山岩や花崗岩、礫層やマサ化したガリ侵食など、身近にあるであろう地質の楽しみ方も紹介しています。

この本を一言で言うと、地形の歩き方ガイドブックかも。学生時代に学んだはずの地理・地学の知識を整理し、どこへ出かけても通用する見方・心得が獲得できるそんな本を目指しました。
11月1日頃に書店に並ぶ予定です。よろしければ。

■トークイベントのお知らせ
がくげいラボ×Talkin’ About vol.6
山納洋×新之介『地形/物語散歩のすすめ』
■日時:11/12(金)19:00~
■場所:タイルギャラリー京都(学芸出版社3階)(京都駅より徒歩5分)/オンライン(zoom)
■配信方法:zoomミーティング
※オンライン参加を申し込まれた方には当日までに配信URLをお知らせします。
■主催:学芸出版社
■参加費:
・イベント参加(会場):1,000円 定員:15名
・イベント視聴(zoom):1,200円 定員:80名
・書籍『地形散歩のすすめ』(会場 or zoom)(送料込):2,200円
詳しくは→https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-6-211112/?fbclid=IwAR3ZgTzVsR0iD0DKpwljj3n5usYzy7uB2fDTBwm-Jsw5en0ahAg-99bAL9k
目次
はじめに
第1章 「地形散歩」は町の魅力を読みとく学び場
「地形散歩」のすゝめ
地形の変化から町の景観や歴史を楽しむ
タモリさんから学ぶ「地形散歩」の楽しみ方
目の前の石ころに日本列島誕生のドラマを観る
人と自然との関わりが町をつくっている
第2章「まちなか」で楽しむ地形散歩
上町台地と熱田台地―高低差と歴史の古層を楽しむ
武蔵野台地―世界に誇れる稀有な地形と景観
スリバチ地形―谷を愛でる歩き方
坂道―坂が素敵な景観を創り出す
アースダイバー―古代の海岸線を妄想する
暗渠―町に潜む迷路・ラビリンスの世界
第3章「山地」がつくる地形
山―山はどうしてできたのか
V字谷・先行谷―大地のドラマはここからはじまる
滝―滝は後退し続けるものである
扇状地―水の出口を探そう
伏流水―伏見の女酒と灘の男酒
地溝盆地―断層と断層の間
断層崖―崖を見たら断層を疑え
バッドランド―バッドだが景観はグッド
断層コラム 中央構造線に集まるパワースポットの謎
第4章「河川」がつくる地形
ゼロメートル地帯―ゼロメートルは非安全地帯
三角州―島が生まれていく様子が国生み神話につながる
中洲―鳴かぬなら中洲で待とうホトトギス
河岸段丘―河川によって段々できてゆく段々
天井川―屋根より高い天井川
自然堤防と後背湿地―微高地こそ地形歩きの醍醐味
遊水池―失われた天然の遊水地
第5章「海岸」がつくる地形
砂州―砂の供給先と沿岸流を妄想してみる
海食崖と波食棚―崖を見たら縄文海進も疑え
海成段丘―海岸線の平坦面を疑え
砂浜海岸―町の安心と引き換えになくなっていくもの
第6章「火山」由来の地形
花崗岩―自然が作り出した不思議な岩の形
安山岩・サヌカイト―火山噴火の恵み
凝灰岩―古代人の創作意欲をくすぐる石材
玄武岩・柱状節理―自然の摂理に沿ったハニカム構造の神秘
石ころコラム 無限に跳ねる水切りの石を探せ
第7章「地形」と人の暮らし
古道・旧道・街道(上)―くねくね道は自然の曲線
古道コラム―古道の中の古道
古道・旧道・街道(下)―断層が道を導く
古墳―妄想力が古墳の魅力を高める
水車―川は永遠に続く動力源
「地名」は土地の記憶―土地への愛着が地名を残す原動力となる
水と暮らし―水に流して心も浄化
石切場跡(大坂城)―時間が止まった森
石切場跡(古墳)―手作業に限界はないのかもしれない
温泉―地獄と極楽は隣り合わせ
環濠集落―生きるために地面を掘る
焼き物―奇跡の焼き色スカーレット
おわりに
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( 2021年10月20日 15:48 )
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