2012年12月04日 07:00
大阪アースダイバー
上町台地の高低差を歩こう!
2. 住吉大社周辺

住吉大社周辺の拡大地図です。入江入口の先端部分に住吉大社があり、海岸線上に大海神社と生根神社が等間隔で鎮座している。入江はかつて住吉津(すみのえのつ)と呼ばれた港で、難波津と並んで古い港でした。

地図を重ねるとこのようになる。入江があった場所にはいまも細江川が流れています。

入江の対岸に位置する住吉行宮(あんぐう)。

住吉神社旧祠官 津守氏居館内正印殿跡の一部だそうです。国の史跡名勝天然記念物でもあります。

国道479号線の向こう側が少し下がっていますね。向こう側が入江だった場所だと思われます。

途中に道標があった。左 あびこ観世音 右 子安地蔵尊

細江川に架かる一つ橋の向こうに神社があります。

浅澤社。住吉大社の末社になります。

神社のまわりは杜若が生い茂る池になっていますが、昔は清水が湧く大きな池だったそうです。

池の中に大きな常夜灯がありますが屋根が瓦になっているのが珍しいかも。

さて、住吉大社の東南の鳥居です。

南門。

朱色の門をくぐると

こんな場所がありました。

五所御前(ごしょごぜん)。

高天原 (たかまがはら)ともいわれる場所で、むかし、神功皇后が住吉大神をお祭りするための土地を求められたとき、この地にあった杉の木に白サギが3羽きて止まったので、ここへお祭りしたと伝わる聖地。いまも杉の木があります。

こんな解説があった。なんでも玉垣の中の砂利に「五・大・力」と書かれた小石があって、それをお守りにすると心願成就にきくらしい。

のぞくと字が書かれた小石が並べてあった。

お礼参りのお守りがたくさんくくり付けられてあった。なんかききそう…

住吉大社の本殿は、第一本宮から第三本宮までは直列、第四本宮と第三本宮は並列に配置されている。まるで大海原をゆく船団のよう。

歴史を見ると神功皇后摂政11年(西暦211年)に神功皇后が住吉大神を住吉の地に鎮斎とあるので、約1800年前。弥生時代の終わり頃まで遡るのですね。

当時のこの辺りの地形はどのようになっていたのか想像するのも面白い。

太鼓橋の横にこんなモニュメントがあるのですが、興味深い地図があった。

万葉時代の地形図です。万葉時代というと、平城京遷都(710)の前後数十年あたり。当時は住吉大社から海側は浜になっていて、住吉津と浅香潟の間にラグーン(潟湖)があったそうです。

現在の太鼓橋の池はそのラグーンの名残なのだとか。

ちなみにこの太鼓橋が最初に作られたのは江戸時代の慶長年間だそうです。

さて、住吉大社の摂社、大海(だいかい)神社です。

本殿は国の重要文化財で住吉大社と同じく住吉造で、向きも同じ西を向いている。

山門の前は緩やかな石段になっており

その下は昔は砂浜だったのでしょう。

大海神社の横の道路から見ると、境内が緩やかに隆起していることがわかる。

すぐ近くに生根(いくね)神社があります。奥の天神とも記されていますね。

大きな森が見えた。

こちらは西を向かず南側を向いている。

境内に大きなもちの木があった。枝振りがすばらしい。

樹齢は500年以上だとか。

本殿の裏側に小さな祠の天満宮があった。
建物は室町後期のものらしく、菅原道真公の御本像は文明14年(1482)のものだそうだ。

住吉大社の奥の天満宮ということで奥の天神ともいわれているのだとか。

境内の西側に山門があり石段がある。

この場所も上町台地の高低差があるところ。
縄文時代は海岸線がここまで来ていたのかもしれませんね。
より大きな地図で 上町台地の高低差を歩こう を表示
【 上町台地の高低差を歩くシリーズ 】
上町台地高低差マップ一覧(Facebook)
1. 上町台地高低差マップ 2012.12.3
2. 住吉大社周辺を歩く 2012.12.4
3. 帝塚山古墳周辺を歩く 2012.12.6
4. 阿部野神社周辺を歩く 2012.12.8
5. 聖天山正圓寺・阿倍野墓地周辺を歩く 2012.12.11
6. 阿倍野周辺を歩く 2012.12.13
7. 天王寺公園周辺を歩く 2012.12.16
8. 安居神社・清水寺周辺を歩く 2012.12.19
9. 四天王寺周辺を歩く 2012.12.23
10. 愛染堂・大江神社周辺を歩く 2012.12.29
11. 生国魂神社周辺を歩く 2013.01.11
12. 空堀商店街周辺を歩く 2013.01.18
13. 松屋町筋・龍造寺町周辺を歩く 2013.01.22
14. 鶴橋・上本町周辺を歩く 2013.02.04
15. 真田山周辺を歩く 2013.02.11
16. 三光神社・旧真田山陸軍墓地周辺を歩く 2013.02.18
17. 玉造・森之宮周辺を歩く 2013.02.24
18. 大阪城周辺を歩く 2013.03.02
19. 八軒家浜周辺を歩く 2013.03.11
20. 難波宮跡周辺を歩く 2013.03.24
21. 天王寺〜桃谷周辺を歩く 2013.04.15
番外編:ノバク・野漠の窪地
番外編:空堀を探せ
【 大阪アースダイバーを歩くシリーズ 】
1. 宇宙船イワフネ号と磐船神社 2012.11.20
2. 太陽の女神と上町台地 2012.11.25
(関連記事)
『大阪アースダイバー出版・ようこそ中沢新一さん』 2012.10.13
『大阪アースダイバーへの道』 2010.04.25
『アースダイビング in 上町台地』 2010.04.11
『アースダイビング in 大阪城』 2010.04.30
『アースダイビング in 生國魂神社』 2009.04.16
『アースダイバー in 大阪』 2009.04.12
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住吉大社周辺の拡大地図です。入江入口の先端部分に住吉大社があり、海岸線上に大海神社と生根神社が等間隔で鎮座している。入江はかつて住吉津(すみのえのつ)と呼ばれた港で、難波津と並んで古い港でした。

地図を重ねるとこのようになる。入江があった場所にはいまも細江川が流れています。

入江の対岸に位置する住吉行宮(あんぐう)。

住吉神社旧祠官 津守氏居館内正印殿跡の一部だそうです。国の史跡名勝天然記念物でもあります。

国道479号線の向こう側が少し下がっていますね。向こう側が入江だった場所だと思われます。

途中に道標があった。左 あびこ観世音 右 子安地蔵尊

細江川に架かる一つ橋の向こうに神社があります。

浅澤社。住吉大社の末社になります。

神社のまわりは杜若が生い茂る池になっていますが、昔は清水が湧く大きな池だったそうです。

池の中に大きな常夜灯がありますが屋根が瓦になっているのが珍しいかも。

さて、住吉大社の東南の鳥居です。

南門。

朱色の門をくぐると

こんな場所がありました。

五所御前(ごしょごぜん)。

高天原 (たかまがはら)ともいわれる場所で、むかし、神功皇后が住吉大神をお祭りするための土地を求められたとき、この地にあった杉の木に白サギが3羽きて止まったので、ここへお祭りしたと伝わる聖地。いまも杉の木があります。

こんな解説があった。なんでも玉垣の中の砂利に「五・大・力」と書かれた小石があって、それをお守りにすると心願成就にきくらしい。

のぞくと字が書かれた小石が並べてあった。

お礼参りのお守りがたくさんくくり付けられてあった。なんかききそう…

住吉大社の本殿は、第一本宮から第三本宮までは直列、第四本宮と第三本宮は並列に配置されている。まるで大海原をゆく船団のよう。

歴史を見ると神功皇后摂政11年(西暦211年)に神功皇后が住吉大神を住吉の地に鎮斎とあるので、約1800年前。弥生時代の終わり頃まで遡るのですね。

当時のこの辺りの地形はどのようになっていたのか想像するのも面白い。

太鼓橋の横にこんなモニュメントがあるのですが、興味深い地図があった。

万葉時代の地形図です。万葉時代というと、平城京遷都(710)の前後数十年あたり。当時は住吉大社から海側は浜になっていて、住吉津と浅香潟の間にラグーン(潟湖)があったそうです。

現在の太鼓橋の池はそのラグーンの名残なのだとか。

ちなみにこの太鼓橋が最初に作られたのは江戸時代の慶長年間だそうです。

さて、住吉大社の摂社、大海(だいかい)神社です。

本殿は国の重要文化財で住吉大社と同じく住吉造で、向きも同じ西を向いている。

山門の前は緩やかな石段になっており

その下は昔は砂浜だったのでしょう。

大海神社の横の道路から見ると、境内が緩やかに隆起していることがわかる。

すぐ近くに生根(いくね)神社があります。奥の天神とも記されていますね。

大きな森が見えた。

こちらは西を向かず南側を向いている。

境内に大きなもちの木があった。枝振りがすばらしい。

樹齢は500年以上だとか。

本殿の裏側に小さな祠の天満宮があった。
建物は室町後期のものらしく、菅原道真公の御本像は文明14年(1482)のものだそうだ。

住吉大社の奥の天満宮ということで奥の天神ともいわれているのだとか。

境内の西側に山門があり石段がある。

この場所も上町台地の高低差があるところ。
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4. 阿部野神社周辺を歩く 2012.12.8
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6. 阿倍野周辺を歩く 2012.12.13
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9. 四天王寺周辺を歩く 2012.12.23
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17. 玉造・森之宮周辺を歩く 2013.02.24
18. 大阪城周辺を歩く 2013.03.02
19. 八軒家浜周辺を歩く 2013.03.11
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番外編:ノバク・野漠の窪地
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コメント
kotaro | URL | 8nGiSIKA
住吉さん
住吉神社は、大阪の人は大阪で一番大きな神社。
神戸の人は、駅と地名で、イメージがわくのでしょうか。
豊中の服部のは、まさに天竺川丘陵に上がって行く辺りにあります。
それから中国四国地方は知らないのですが、大分の国東半島や
豊前海岸地方にも多いです。
僕らは九州では「海神さん」というように、船乗りの神様と
教えられていました。
たぶん、ここにいっぱい大名が寄進した石灯籠が多いけれど、
理由はたいてい、参勤交代で海路を使う西国大名が、上陸の地に
大阪で、航海の無事を祈ったからだと思います。
まだ、本は読んでおりません(笑)。
( 2012年12月05日 13:53 [Edit] )
新之介 | URL | sDz630us
kotaroさん
たしかに住吉大社は石灯籠の数が多いし何より大きいものが多いですね。きっとkotaroさんが書かれている通りなんだろうと思いました。
私の住んでいる地域の近くにも住吉神社は多いです。まさに難波八十島ですからほとんどの神社が住吉神社かもと思うほどです。住吉大社は遠いですが、住吉神社はとても身近な神社です。
( 2012年12月14日 22:34 [Edit] )
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