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さよなら渡邊邸(渡辺邸)

2012年11月10日 17:00

さよなら渡邊邸

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ほぼ1ヶ月ぶりです。
母屋が半分解体された姿を見た時、
私の中で何かがプツンと切れてしまって
しばらく足を運んでいませんでした。

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あ〜っ

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何もない…

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長屋門と奥に蔵があった場所。

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黒い焼き板の塀が続いていた場所も…

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大きなクスノキもなくなっている。

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わずかにこの部分だけ塀が残っていました。

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クスノキの切り株が見える。

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こんな場所に井戸があったのか。
長屋門の後ろに小屋があったのですが、井戸小屋だったのですね。

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蔵があった東南角。

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約400年間この地にあった屋敷の最後の姿。
残念としか言いようのない…

さよなら渡邊邸…



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近くの自敬寺にも立ち寄ってきました。

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大阪市渡邊邸保存会の拠点にもなっていたお寺です。

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渡邊邸の問題はNHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられるようです。

放送日時:11月28日(水)午後7時30分より

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境内には写真がたくさん展示されています。

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数年前に茅葺き屋根を葺き替えた時の写真。

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あのクスノキが伐採された時の写真も。

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そこで面白い物が展示されていました。
「西三国の守り子歌」という郷土歌の資料。
なんとその歌詞のなかに出てくる「もとみさん」とは
渡邊家のことらしい…

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西三国の守り子歌(※高須とはこの地の旧村名です)

高須もとみさんは 堤から見ればヨー
屋根は萱(かや)ぶき ぐるりは茅原(ちばら)ヨー
金であかした 家じゃものヨイヨー

高須もとみさんは 大金持ちでヨー
庭で米踏む 板の間ではやすヨー
奥のテンビ(天秤)で 金かけるヨイヨー

高須もとみさんは 庭ぼうきゃいらんヨー
おそめべらもん 裾で掃くヨイヨー

竹になりたい 高須の竹にヨー
高須もとみさんの 樋竹(とゆだけ)にヨイヨー

犬になりたい 高須の犬にヨー
高須もとみさんの 庭犬にヨイヨー


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三国の渡邊邸2009.06.29
facebook・渡辺邸(2009年6月撮影)

(関連サイト)
大阪市渡邊邸保存会
未来へつなごう、渡辺邸


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コメント

  1. よしお | URL | -

    初めてコメントします。本当になくなってしまったのですね。渡辺邸の周りの家の造りをみてみると、最近は少なくなった日本瓦の屋根が多く残っているなど、近所の人が渡辺邸のある町に住んでいることに誇りを持って住まわれていたことを感じます。渡辺邸が無くなったことにより、どこにでもあるような、街になってしまうようで、解体をとめれなかった無力感でいっぱいです。

  2. はてのうるま | URL | OOeYdzcs

    いつも拝見させていただいています。
    渡辺邸の存在についてはこのブログで知って、数ヶ月前、実際に観にいきました。塀越しですが、「大阪市内にこんなに立派な邸宅があるんだ」と実感した次第です。

    こんな立派な文化財が解体されたのは本当に残念です。後世に伝えていくべきものだったはずなのに。

  3. まさひろ | URL | Zma0a7Z6

    保存の書名しましたが残念です。
    阪神淡路大震災のとき、大阪の民家を再生して助けました。
    日本人はヨーロッパ等海外の古い町並みを観光に行くのに自分の国の古い町並みは簡単に壊している。泥棒している。
    渡辺さんも残したいのに残せない。
    国等の行政が守るのが使命です。
    大阪府しっかりしろや

  4. | |

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  5. ばんぼう | URL | t/Klp7tQ

    非常に残念です

    もう、なくなってしまったんだろうなと思い、しばらく忘れていたいたい気持ちでしたが、とうとう全部無くなったと知ると、改めて残念です。

    しかし、法のがんじがらめでにっちもさっちもいかなくなったのでしょうが、残すためによい方法はなかったのでしょうか。分割ではらって購入するとか・・・

    渡辺邸のような長きにわたって存在した建物は、特に今のような日本社会において、学術的な価値以上に、心を照らし暖めてくれる意義もあったと思います。非常に残念です。

    しかし、こんなに簡単に壊すとは・・・
    新たな建設予定が行われないのであれば、反対運動が障壁にならないように、早よう壊そうとなったのでしょう。

  6. | |

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  7. にん | URL | I0.Wkgag

    今、NHKで初めてこの家のことを知りました。
    こんな貴重な貴重な財産があったんですね。
    関東在住ですが、署名の一つもできなかったことが悲しいです。申し訳ないです。
    本当に日本は何をしているんでしょう。
    世界遺産に登録されるような大きなものだけにお金をかけるのではなく、この国に生きてきた庶民の暮らしにも、もっと目を向けるべきではないでしょうか。法律で決まってるからと、もうこれ以上解決策がないなんて、言い訳にしか聞こえません。
    相続人の方、どういう事情や経緯があったのかは分かりませんが、400年以上の先祖の遺産を簡単にお金に換えてしまったことに憤りを感じます。
    個人の財産だからといえばそれまでですが、守る気持ちの無い人には相続する資格も無いように思います。(寄贈など、方法はあるはずです。)

  8. kotaro | URL | 8nGiSIKA

    上の方のご意見を読んで

    私も最初の方に、個人宅なのだからと一旦書いていますが、今回のケースは、大阪府民、在阪マスコミも、見て見ぬ振りをしたといわれても、仕方ないのかと、気持ちが変わってきました。
    私は昔から古いビルや建築を見るのが好きでした。
    持論で建物は半世紀たつと、風景の一部になる、と思っています。
    旧サンケイホールのあったサンケイビルが取り壊しになり、ブリーゼに建て変わった時も、社内から何の反対意見や、半世紀前に文化の殿堂と呼ばれていたことを顕彰する動きも何もありませんでした。
    朝日がフェスティバルホールを取り壊すとき、有名な歌手の山下達郎氏が猛反対したことが、印象に残っています。
    いま関西に長く住んでいて一番欠如しているのは、公共と言う考え方の薄さと言うか、マナーの悪さです。レジで並んでいても、会計中なのに、後ろから商品をカウンターに乗せる。車で走っていても、強引な車線変更や、考える余裕を与えないような威嚇めいた間隔詰めなどによく遭遇します。
    建築風景は、みんなの共有物、共有財産と言う考えも、もうちょっとあってもよいのではないか。
    それを深めて、感覚を醸造するような成長が無いと、上方って、こんなとこ?
    ここに本社を置いたり、住んだりするのは、やめとこか、そこまで危機はあると思いました。
    やっぱり、全国や世界の皆さんから「ええなあ、関西は」と思われるような、経済や社会施設だけでない、奥の深さや、人徳のようなものが備わってこないと、いけないのではないか。この1年私が思ったことは以上です。

    先日大阪ニット会館の「音楽室」という企画を見てきました。ビルマニアさんらの動きは少しずつ、開花しつつあるようです。大阪からも新しい動きは発信しつつあります。そのあたりも、この人気ブログでどうか、よろしくご紹介ください。

  9. 新之介 | URL | sDz630us

    よしおさん
    はてのうるまさん
    まさひろさん
    ばんぼうさん
    にんさん
    kotaroさん

    みなさんコメントありがとうございます。
    クローズアップ現代でも大きく取り上げていましたが、やはり今回の件は行政に頑張ってほしかった。と個人的には思っています。これほどの規模になると行政以外に解決策はなかなか出てこないと思いました。ただし、行政を責めるつもりはありません。

    今回は最初からマスコミもほとんど取り上げなかったことも残念に思っています。おそらくこの建物のことをあまり知らなかったのでしょう。各新聞社にメールはしたのですがまったく反応がありませんでした。いまでこそネット上に渡辺邸の情報はたくさんありますが解体が決まったときには大阪市のホームページに小さくあるくらいで情報がほとんどなかった事も、マスコミに取り上げられにくかった原因であると思っています。

    今回の件で、全国的にどんどん解体される古民家に一般の方々の関心が集まったことはとても良かったと思います。こんなに残念だと言う声が多く集まった事は私自身とても驚きでした。もし、今回と同じようなことが起きた場合、マスコミも一般の人もいままでとは違った反応をするのではないでしょうか。それが行政を動かす一番強い力かもしれません。

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