2011年09月12日 08:00
京街道を歩く(1)
守口の文禄堤

明治18年測量の地図です。色の線は京街道。
淀川の流路が現在とかなり違うので守口がどの辺だかわかりにくいですね。

拡大です。赤い印は今も残る道標。
京街道が堤防の上を通っているのが分かります。
墓地と大枝神社は位置合わせの目印です。

現在の地図と重ねてみます。

堤防の上を通っていた京街道はどのような形で残っているのでしょ。西の端から歩いてみました。

「陸路官道第一の驛 守口」と書かれた表示
いつ頃のものだろう。

本門佛立宗 義天寺

建立は明治29年で、義天寺と称するようになったのは昭和21年からのようです。

義天寺の前に階段があるのですが、明治の地図にもそれに続く道が確認できる。

少し歩くと橋はある。守居橋です。

下から見ると京街道が上の方を通っているのがよくわかる。
これがいわゆる文禄堤(ぶんろくつつみ)の跡です。
道路を作った時に橋を架けたのでしょう。

この断面を見るとその規模がよくわかる。

かなり古そうな石灯籠があった。

文禄堤とは、豊臣秀吉が伏見城と大坂城を結ぶ最短距離の道として、文禄5年(1596)に整備したものです。現在堤のほとんどは姿を消しましたが、この地域にわずかに残っています。

文禄堤を歩いていきます。

古い民家がぽつぽつ残っている。

地蔵尊も。

立派な表札。

もうひとつ橋が現れた。

本町橋。

京阪守口市駅から見える橋がこれです。

文禄堤の断面です。

明治の地図に堤から旧大枝村方面に繋がる道が記されていますが、おそらくこれでしょう。

風情のある建物が現れた。

昔の街道筋の雰囲気が味わえるいい建物。

こちらは写真館のようです。

わずかに残るこういう建物はとても貴重だ。

しっかり守っていける制度はないのだろうか。

道の片隅に小さな道標があった。
右 なら のさき みち

この階段を降りると奈良へ抜ける道と繋がります。

この石階段もいい感じ。来迎(らいこう)坂というそうだ。

いい仕事…

下に下りると地蔵尊があった。向こうに難宗寺(なんしゅうじ)が見える。

石仏がたくさん。

難宗寺を右に行くと奈良街道です。

地図にはきれいな曲線の小道があるのですが、どうも水路跡のようです。

ここは五ヶ所樋跡だそうです。樋門が5つ並んでいたのかな?

こういうところには地蔵尊があります。

階段を上がって京街道に戻ってきました。

文禄堤の解説がここにもあった。

かさと丁ちんの店。
すごいね。こんな店が残っているなんて素敵だ。

文禄堤はここまでです。
で、

街道を右折した角に大塩平八郎ゆかりの書院跡があると思ったのですがありません。かわりに新しいマクドナルドが出来ている。

で、Googleマップで確認するとやはりこの場所だ。
調べると昨年末(2010年末)に解体されたようだ。
残念!

ストリートビューに今も残る当時の建物。
この1年間で古い建物が加速度的に解体されているように思うなぁ。
(追記)

大塩平八郎ゆかりの書院跡の碑。

解説板です。

その向かいにある駐輪場。

こちらが守口宿本陣跡です。

それと、あのかさと丁ちんのお店。

ちらっとのぞくとご主人が提灯に筆を入れておられた。ここで作っているんですね。やはり。
より大きな地図で 新之介の京街道 を表示
(守口~京橋~高麗橋)
42.京街道を歩く・高麗橋
41.京街道を歩く・京橋
40.京街道を歩く・関目・野江
39.京街道を歩く・土居・今市・森小路
38.京街道を歩く・守口~京橋の地図
(守口~京へ)
1.京街道を歩く・守口の文禄堤
2.京街道を歩く・難宗寺・盛泉寺
3.京街道を歩く・一里塚・専教寺・正迎寺
4.京街道を歩く・八坂瓊神社・大庭七番
5.京街道を歩く・大日村
6.京街道を歩く・大庭五番・大庭二番村
7.京街道を歩く・大庭一番・佐太天神宮
8.京街道を歩く・来迎寺と松
9.京街道を歩く・仁和寺村
10.京街道を歩く・点野・茨田樋遺跡
11.京街道を歩く・太間・茨田堤の碑
12.京街道を歩く・河内名所図絵
13.京街道を歩く・木屋・鞆呂岐神社
14.京街道を歩く・出口
15.京街道を歩く・出口・光善寺
16.京街道を歩く・枚方宿
17.京街道を歩く・枚方宿・鍵屋
18.京街道を歩く・枚方宿・万年寺跡
19.京街道を歩く・淀川両岸一覧・枚方駅
20.京街道を歩く・枚方宿・岡・岡新町
21.京街道を歩く・天ノ川・磯島
22.京街道を歩く・渚の院・御殿山神社
23.京街道を歩く・三栗・阪・片埜神社
24.京街道を歩く・下島・上島・樋之上
25.京街道を歩く・樟葉
26.京街道を歩く・樟葉宮旧跡・交野天神社
27.京街道を歩く・樟葉台場跡・久修園院
28.京街道を歩く・橋本
29.京街道を歩く・橋本~御幸橋
30.京街道を歩く・石清水八幡宮
31.京街道を歩く・美豆・淀
32.京街道を歩く・淀城跡・淀納所
33.京街道を歩く・富森・横大路
34.京街道を歩く・下鳥羽・月の桂
35.京街道を歩く・鳥羽伏見の戦いと下鳥羽
36.京街道を歩く・上鳥羽
37.京街道を歩く・東寺
ポチッと、応援よろしく♪
守口の文禄堤

明治18年測量の地図です。色の線は京街道。
淀川の流路が現在とかなり違うので守口がどの辺だかわかりにくいですね。

拡大です。赤い印は今も残る道標。
京街道が堤防の上を通っているのが分かります。
墓地と大枝神社は位置合わせの目印です。

現在の地図と重ねてみます。

堤防の上を通っていた京街道はどのような形で残っているのでしょ。西の端から歩いてみました。

「陸路官道第一の驛 守口」と書かれた表示
いつ頃のものだろう。

本門佛立宗 義天寺

建立は明治29年で、義天寺と称するようになったのは昭和21年からのようです。

義天寺の前に階段があるのですが、明治の地図にもそれに続く道が確認できる。

少し歩くと橋はある。守居橋です。

下から見ると京街道が上の方を通っているのがよくわかる。
これがいわゆる文禄堤(ぶんろくつつみ)の跡です。
道路を作った時に橋を架けたのでしょう。

この断面を見るとその規模がよくわかる。

かなり古そうな石灯籠があった。

文禄堤とは、豊臣秀吉が伏見城と大坂城を結ぶ最短距離の道として、文禄5年(1596)に整備したものです。現在堤のほとんどは姿を消しましたが、この地域にわずかに残っています。

文禄堤を歩いていきます。

古い民家がぽつぽつ残っている。

地蔵尊も。

立派な表札。

もうひとつ橋が現れた。

本町橋。

京阪守口市駅から見える橋がこれです。

文禄堤の断面です。

明治の地図に堤から旧大枝村方面に繋がる道が記されていますが、おそらくこれでしょう。

風情のある建物が現れた。

昔の街道筋の雰囲気が味わえるいい建物。

こちらは写真館のようです。

わずかに残るこういう建物はとても貴重だ。

しっかり守っていける制度はないのだろうか。

道の片隅に小さな道標があった。
右 なら のさき みち

この階段を降りると奈良へ抜ける道と繋がります。

この石階段もいい感じ。来迎(らいこう)坂というそうだ。

いい仕事…

下に下りると地蔵尊があった。向こうに難宗寺(なんしゅうじ)が見える。

石仏がたくさん。

難宗寺を右に行くと奈良街道です。

地図にはきれいな曲線の小道があるのですが、どうも水路跡のようです。

ここは五ヶ所樋跡だそうです。樋門が5つ並んでいたのかな?

こういうところには地蔵尊があります。

階段を上がって京街道に戻ってきました。

文禄堤の解説がここにもあった。

かさと丁ちんの店。
すごいね。こんな店が残っているなんて素敵だ。

文禄堤はここまでです。
で、

街道を右折した角に大塩平八郎ゆかりの書院跡があると思ったのですがありません。かわりに新しいマクドナルドが出来ている。

で、Googleマップで確認するとやはりこの場所だ。
調べると昨年末(2010年末)に解体されたようだ。
残念!

ストリートビューに今も残る当時の建物。
この1年間で古い建物が加速度的に解体されているように思うなぁ。
(追記)

大塩平八郎ゆかりの書院跡の碑。

解説板です。

その向かいにある駐輪場。

こちらが守口宿本陣跡です。

それと、あのかさと丁ちんのお店。

ちらっとのぞくとご主人が提灯に筆を入れておられた。ここで作っているんですね。やはり。
より大きな地図で 新之介の京街道 を表示
(守口~京橋~高麗橋)
42.京街道を歩く・高麗橋
41.京街道を歩く・京橋
40.京街道を歩く・関目・野江
39.京街道を歩く・土居・今市・森小路
38.京街道を歩く・守口~京橋の地図
(守口~京へ)
1.京街道を歩く・守口の文禄堤
2.京街道を歩く・難宗寺・盛泉寺
3.京街道を歩く・一里塚・専教寺・正迎寺
4.京街道を歩く・八坂瓊神社・大庭七番
5.京街道を歩く・大日村
6.京街道を歩く・大庭五番・大庭二番村
7.京街道を歩く・大庭一番・佐太天神宮
8.京街道を歩く・来迎寺と松
9.京街道を歩く・仁和寺村
10.京街道を歩く・点野・茨田樋遺跡
11.京街道を歩く・太間・茨田堤の碑
12.京街道を歩く・河内名所図絵
13.京街道を歩く・木屋・鞆呂岐神社
14.京街道を歩く・出口
15.京街道を歩く・出口・光善寺
16.京街道を歩く・枚方宿
17.京街道を歩く・枚方宿・鍵屋
18.京街道を歩く・枚方宿・万年寺跡
19.京街道を歩く・淀川両岸一覧・枚方駅
20.京街道を歩く・枚方宿・岡・岡新町
21.京街道を歩く・天ノ川・磯島
22.京街道を歩く・渚の院・御殿山神社
23.京街道を歩く・三栗・阪・片埜神社
24.京街道を歩く・下島・上島・樋之上
25.京街道を歩く・樟葉
26.京街道を歩く・樟葉宮旧跡・交野天神社
27.京街道を歩く・樟葉台場跡・久修園院
28.京街道を歩く・橋本
29.京街道を歩く・橋本~御幸橋
30.京街道を歩く・石清水八幡宮
31.京街道を歩く・美豆・淀
32.京街道を歩く・淀城跡・淀納所
33.京街道を歩く・富森・横大路
34.京街道を歩く・下鳥羽・月の桂
35.京街道を歩く・鳥羽伏見の戦いと下鳥羽
36.京街道を歩く・上鳥羽
37.京街道を歩く・東寺
ポチッと、応援よろしく♪

スポンサーサイト
コメント
maruco | URL | pSJ6Fihk
文禄堤
こんばんは
7月にここを歩きましたが、新之介さんとの観点の違いに
少なからずカルチャーショックを感じました(笑)
もう一度歩きたくなりました
( 2011年09月13日 21:58 [Edit] )
新之介 | URL | sDz630us
marucoさん
ありがとうござうます!
観点といわれると恥ずかしいのですが、
人より寄り道が多いかも ^^
またぜひ歩いてくださいませ。
( 2011年09月25日 21:03 [Edit] )
jack77betty | URL | -
提灯と傘の店
前に書いたと思いますが、枚方市の発行する「東海道59次」のパンフをもって京街道を伏見まで歩いています(逆に言うと伏見以遠が残っています)。
新之介さんほど注意深く眺めて歩いているわけではありませんが、元禄堤東端のこの提灯屋さんは印象に残っています。
傘と提灯は今ではミスマッチですが、言うまでもなく昔の傘(和傘)は提灯と同じ材料の竹と紙。京都でなくてもこのようなお商売を続けておられるお家が残っているのがうれしいですね。
( 2011年10月01日 16:25 )
jack77betty | URL | -
↑訂正
「東海道59次」ではなく「東海道57次」ですね。「53次プラス伏見、淀、枚方、守口」でした。お詫びして訂正します。しかしミスが多いなあ。足し算も満足にできないとは(汗)。
( 2011年10月02日 06:42 )
新之介 | URL | sDz630us
jack77bettyさん
先日歩いた佐太陣屋跡の説明看板に加納藩の特産物は提灯と傘だと書かれていました。
かさと丁ちんのお店の歴史をたどると加納藩と関係があったのではないかと勝手に想像しています ^^
( 2011年10月07日 22:23 [Edit] )
jack77betty | URL | -
寺方提灯踊り
加納藩の本貫地、岐阜は提灯で有名ですね。ご想像は正解だと思います。ご教示ありがとうございました。
それにしても需要の細ったであろう提灯と和傘のお商売をこの街で続けておられるのはすごいと思います。岐阜ならブランド名「岐阜提灯」が全国に浸透しているので、今でも命脈を保っているというのは十分うなずけますが・・・
と書いた後、ネットサーフィンしてみますと、当地では「寺方提灯踊り」という郷土芸能が今も盛んにおこなわれているようで、私が余計な心配(笑)をしなくても「大需要」があるようです。
( 2011年10月08日 06:25 )
新之介 | URL | sDz630us
jack77bettyさん
寺方提灯踊りは市指定無形民俗文化財だとか。
なるほど、面白いですね。
郷土史って芋づる式にいろんな物がつながっていく面白さがある。
情報ありがとうございます。
( 2011年10月15日 14:21 [Edit] )
supepa | URL | jbr5j7hw
京街道・守口
守口に住んで約30年、いつも何気なく歩いてる道に「京街道」という文字があるのに気がつき、WEB検索してみたら新之介さんのこの記事を見ました。いつも目にする光景でした。昔と今、変わらない物、変わっていく物、なんだかロマンチックな気分になりました。
( 2012年03月28日 13:06 [Edit] )
新之介 | URL | sDz630us
supepaさん
地元の歴史を知ると
愛着が湧いてきますよね。
そう思っていただけると
とってもうれしいです ^^
( 2012年03月30日 23:06 [Edit] )
ひろりん | URL | 1I3qplYQ
はじめまして
守口市駅前の集合住宅に住んでおります。京街道は目と鼻の距離です。管理人様の知識のはとてもかないませんが、私も歴史にかかわる内容で写真などをアップしてます。秀吉が生きていたころの文禄堤周囲の淀川の様子をはじめて学習しました。管理人様はずっと大阪にお住まいのかたですか?今後もいろいろ載せてください。
( 2013年06月05日 17:42 [Edit] )
コメントの投稿