このエントリーをはてなブックマークに追加

続・旧神崎川をさがせ!

2009年12月03日 08:00

続・旧神崎川をさがせ!

こんな地図をみつけました。


(淀川本支流川平面図 五 枚方/淀川資料館所蔵)
kanzaki_0001.jpg
明治中期のもので、淀川改良工事の計画法線が描かれています。
私が注目したのは旧神崎川が流れていた地域。
薄っすらと川の流路が描かれています。

ん?、東淀川区史の地図と流れと違うぞ!

kanzaki_02.jpg
これは明治18年測量の地図。おそらく同時期のものですが、これに重ねてみます。

kanzaki_03.jpg
角度と大きさを合わせて重ねました。 ピッタリ!

kanzaki_04.jpg
旧神崎川に色をつけるとこうなります。
別府村の所で、安威川(三国川)と合流しています。

kanzaki_00001.jpg
ちなみにピンクが前回検証した流路。青が今回の流路です。
全然違いますよね。

eguchi_001.jpg
これは江戸時代の「拾箇国絵図」ですが、
今回の流路だとこの地図との整合性が取れます。
安威川(三国川)と平行して流れる部分がなく、別所村の西側で合流しています。
元々この旧神崎川は、延暦4年(785年)に淀川と三国川との間に開削された堀川です。
2つの川が行き来できるようになり、江口地域は発展しました。


kanzaki_00003.jpg
拡大です。先日この地域を歩いてみました。その時に気になった場所をプロットしています。
旧堤防跡と思われる道路を赤くしました。


(1)
DSC04995.jpg
堤防沿いでは墓地をよく見かけます。古そうな墓地ですが綺麗に整備されていました。

(2)
DSC05001.jpg
大隈神社の御旅所です。

DSC05003.jpg
元々この地域は大道の飛地で字井高野と称していました。

DSC05006.jpg
この地域は明治18年測量の地図でもわかるように北の外れ、
農家も4件位しかないような小さな村でした。

(3)
DSC05007.jpg
大阪経済大学のグラウンドです。かなりの高低差があります。
ここに川が流れていたのでしょうか。

(4)
DSC05015.jpg
ここも高低差があります。
左側は川ではなく農地であったであろう所です。
もしかしたら川の水位よりも低い土地だったのかもしれませんね。


(5)
P1220060.jpg
左側が川側です。この道路は両側の土地よりも高い場所を通っています。

(6)
P1220067.jpg
この地域を歩いた時に、とても気になったのがこの場所。
GoogleMapを見ている時も、ゴルフ練習場の北側がきれいな曲線になっています。
で、今回の再照合で納得できました。
左側の低い場所に川が流れていたのですね。


より大きな地図で 江口の里 を表示

今回の検証で、古地図との整合性、現在の土地形状との整合性がとれました。
東淀川区史に載っていた地図は間違いだったのでしょうか?


ポチッと、応援よろしく♪
banner_candle_3.gif
スポンサーサイト





コメント

  1. こぶたもち | URL | k5fca2wY

    井高野

    実は子供の頃この地域に住んでました・・・

    子供の頃、外周のように高台になっているのが
    不思議でしたが、やっと謎がとけました。

    お地蔵さんのあるあたりは、昔は整備されてなくて
    なんだか寂しい場所でした。
     万博の頃まではスーパーマルヤスさんの裏あたりが
    まだ田んぼで、きれいな小川も流れていました。
    ただ、このスーパーのまわりは大雨だとすぐに
    水があふれたそうで、やはり元は川だったせいでしょうか?
     ゴルフ場から北部、摂津方面にはふる~~い民家が
    街道沿いみたいに並んでましたが、あのあたりの方なら
    かなり情報がえられるんでしょうねえ・・・
     残念ながら知り合いがいません。

  2. ゼク | URL | q1cvaNjE

    僕も今日、摂津市史を見てきたところでした。
    確実な地図等の史料は発見できませんでしたが、後でゆっくり
    読もうと思います!それにしても僕の思っていた川よりちょっと
    東側を流れていたんですね!

    前にも書きましたが25年位前は、こぶたもちさんが言われる
    通りこのお墓~大学のグランド付近は道も狭くクルマ1台が通れる
    細い道で堤防のようになっていました。
    昭和62年位から整備されて今のように拡幅されたのです。

    僕の小学校の同級生がこの辺りにたくさんいます。
    彼らは江戸時代から先祖代々ここに住んでいる地主さんなので
    何か分かるかも知れません

    それにしても、思ったより旧神崎川は短くて安威川にすぐに接続
    されていたのですね!

  3. kotaro | URL | 8nGiSIKA

    なるほど

    井高野のドンツキ感の理由がよーく判りました。
    まだ横で娘が起きている!
    my girlを見ながら。
    1:30AM

  4. 新之介 | URL | sDz630us

    こぶたもちさん

    古い民家のある辺り、別府や浜町の辺りも
    歩いてきました。
    とても古い町並みが残っていますね。
    とても由緒ある地域のようなので
    一度調べてみようと思っています。


    ゼクさん

    摂津市史は私も見てみようと思っています。
    今回、町を歩いていて最初に気になった場所が6の場所でした。
    ずっと気になっていて、数日後に今回の地図を見つけて
    「やっぱり」と。
    枚方の淀川資料館にあるようなので
    時間が出来たら見に行って見ようと思っています。
    実際はカラーの地図のようです。


    kotaroさん

    今回いろいろ調べて、まったく土地感がなかった井高野に
    ちょっとだけ愛着が湧いてきました。

  5. 今津っ子 | URL | 4nygY/.M

    またまた素晴らしい資料を発掘されましたね。
    東淀川区史と整合がとれない件は、おそらく区史の方が間違いだと思います。
    一般的に、区史や市史類の編纂時に執筆者によって新たに作成された地図はほとんど信用できません。私も何度も痛い目にあっています。

    今回の地図は、明治初め、新神崎川開削にあたって正確に測量されたデータにより作成されたと思われます。
    内務省や陸軍による測量が始まったのは明治10年代以降ですが、鉄道敷設や大規模な土木工事が行われる地域については、それ以前から詳細な測量が実施されていたようです。
    一例を挙げれば、阪神間に鉄道を敷設するにあたって、明治3年から5年ころに作成された測量図の一部が西宮市に残っています。

    今後も新之介さんの新史料発掘パワーに期待します。

  6. 今津っ子 | URL | 4nygY/.M

    連続投稿で申し訳ございません。
    今回の新之介さんの検証を補足する史料を失念しておりました。
    大阪府立中之島図書館が「神崎川両岸図」として所蔵している、江戸末期に刊行された絵図です。
    ゼロックスコピー禁止、個人による写真撮影も禁止ですので、マイクロフィルムからプリントしてもらいました。
    オリジナルは着色されています。

    http://imazukko.fau.jp/kaidou/kanzakigawa1.jpg

    これを見ても、区史の地図はでっちあげの可能性が高いのが分かると思います。

    この絵図は、同館所蔵の多数の古転籍と同様、WEBの蔵書検索ではひっかかりませんが、施錠された本棚にありますので、申請すればその場で閲覧できます。

  7. ゼク | URL | q1cvaNjE

    淀川資料館は僕も行ってみたい場所です!
    近いので近々行ってみたいと思います!

    さて、明治18年の地図を良く見てみると旧神崎川の場所に
    点線がありますね!ゴルフセンターの横の小さな川は
    昔の旧神崎川の左岸の名残のようですが、確かにこの線が
    東淀川区と摂津市の境界線ですもんね!

  8. 新之介 | URL | sDz630us

    今津っ子さん

    いつもいつも励みになります!!^^

    この地域が少し気になったので
    摂津市史を借りてきました。
    別所と浜町をうろうろしてて
    この地域の昔が知りたくなったのです。

    まだちゃんと読んでいないけど
    面白いことが書いてあったら記事にしてみようかな…

  9. 新之介 | URL | sDz630us

    ゼクさん

    よく川の真ん中が境界線だったりするけど
    ここは川の部分は摂津市になるんですね。
    なぜなんでしょう?
    そういうことを調べるのもまた面白い ^^

  10. 朔夜 | URL | -

    地震で気になり地層が気になりました

    詳しい情報ありがとうございます
    なるほど井高野、川跡わかりました

    詳しい情報

    ありがとうございました

    (*^^*)

コメントの投稿

(コメント編集・削除に必要)
(管理者にだけ表示を許可する)

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://atamatote.blog119.fc2.com/tb.php/358-79f9c8c3
この記事へのトラックバック