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「ブラタモリ」の裏側は現場力を持った最強チームが作っていた。

2016年10月26日 22:00

「ブラタモリ」が大阪にやってきた。

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【ご報告】
大変光栄な事に案内人の1人として出演しております。


最初に連絡をいただいたのは真夏の7月。はじめてお会いしたディレクターさんは女性の方で、炎天下の中を午前中から日が暮れるまで上町台地を中心に、空堀商店街や真田丸跡、通天閣などを2日間ご案内しました。歩数を確認すると25,000歩と30,000歩。よく歩きました。その後、8月後半にもう1人のディレクターさんが加わり、その方もご案内しました。その時は1日でなんと38,000歩。今回は私以外にも大阪の歴史をずっと研究されている方々も案内人として出演されます。ブラタモリの台本はこのディレクターさん達が自分の足で歩き、調べ、様々な方とお会いして話を聞き、作り上げています。プロデューサーの方々は、その台本をさらに良くするためにアドバイスをし、撮影から仕上げまでのすべての責任を持たれています。

この番組の特殊なところは、出演者のタモリさんや近江さんには一切何の情報も伝えていないこと。撮影現場はいい意味でかなり行き当たりばったりです。しかし、その裏では、スタッフの方々がどのような展開になっても対応できるようにフル対応しているのです。タモリさんや近江さんは見ないのですが、我々にはかなり緻密な台本が用意されています。でもこれはあくまでもロケ台本で放送用の台本とはまた違うもの。このロケ台本は、ディレクターさんが責任を持って仕上げます。私もチェックさせていただきましたし、他の案内人や関係者も見られているので、いろんな人がいろんな意見を言いますが、それをまとめあげるのもディレクターさんの重要な仕事です。
この台本の凄いところは、「タモリさんはここできっとこういう反応をする」「おそらくこう答えるから案内人はこのセリフを…」「これはきっと知ってるのでこれにしよう」など、タモリさんの行動や思考を理解していないと書けない台本になっています。書き上げるには「タモリ脳」が絶必。しかもよくできている。おそらく台本どおり進めばこんな面白い話はないのですが、そんな風に行かないのが「ブラタモリ」のいいところ。タモリさんがもっと面白くしてしまうのです。

台本がある程度できてからは、カメラマンさんを含め他のスタッフの方とロケハンをします。案内人の都合をすべて合わすのは難しいので数日に分けて歩かれていました。台本は生き物みたいなもので、どんどん変わっていきます。また、ディレクターさんによって台本の作り方や撮影現場での対応が異なります。私は幸運なことに2人のディレクターさんと接することができましたが、おふたりともそれぞれ違うディレクションをされます。戸惑うこともありましたが違うからいい。おふたりとも素晴らしいディレクターさんでした。

撮影当日は、タモリさんや近江さんが現場で感じるままに進行するのでかなり行き当たりばったり。綿密な台本もその通りいったかどうかはご想像におまかせします…。
撮影は平日の昼間なので、タモリさんを見つけて「タモリさ~ん!」ってなるのですが、トラブルはまったくありませんでした。私は客観的に撮影現場を見ていましたが、現場に着くとプロデューサーを含めてスタッフが自然に散らばるのです。そして少し離れたところから何も起こらないように一般の方に注意喚起をします。それも一般の方が気を悪くしないように。自然に各々がそのような行動をしている現場力は凄かった。最強チームを見た感じがしました。

肝心の私のパートですが、台本自体も前日まで修正や追加が入り、結局私はセリフがあまり覚えられずカンペ頼りに。しかしタモリさんの立ち位置によってはカンペが見えないことも多々ありました。もちろん撮り直しなし……ううっ

タモリさんには2日目の撮影が終わってからはじめてご挨拶させていただきました。とても素敵で優しい方でした。『大阪高低差地形散歩』を進呈したら「愛読してるよ」と言ってくださった。ううっ…感激だ。
ということで、私が出ているカットは編集のマジックに期待したいと思います。

#53、#54とも、大阪を「ブラタモリ」らしい切り口で紹介しています。
大阪の町の印象が変わるといいなぁ


#53 大阪 ~大阪はなぜ日本一の商都に?~
総合 2016年11月5日(土)午後7時30分~8時15分
#54 大坂城・真田丸スペシャル ~大坂城はなぜ難攻不落?~
総合 2016年11月12日(土)午後7時30分~8時15分

ブラタモリNHK


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