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【大阪の地形本】凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩

2016年05月22日 23:30

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『凹凸を楽しむ 大阪「高低差」地形散歩』が5月27日(金)に発売されます。表紙を見てお気づきの方も多いかと思いますが、東京スリバチ学会会長・皆川典久氏の著書『凹凸を楽しむ 東京「スリバチ」地形散歩』シリーズと同じ洋泉社からの出版です。地図の作製も同じく杉浦貴美子さんで、とても素敵な地図になっています。

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広域地図を見ていただくとわかるように、上町台地の高低差はもちろん、道頓堀や十三などの低地にもスポットを当てています。さらに、生駒山麓エリアや千里丘陵、伊丹段丘の一部も取り上げました。もっと紹介したいエリアは数多くあるのですが、苦渋の選択です。

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観光スポットの紹介ではなく、あくまでも地形の変化を楽しむための構成になっていますので、地味なエリアの写真が多いです。

目次

Ⅰ 大阪の地形の魅力 高低差概論

1 砂州の上にできた大阪
東京と大阪の地形/海の底だった大阪/潮流の難所だった難波/地名に隠された土地の記憶/古代大阪は先端土木都市

2 母なる上町台地の記憶
上町台地と上町断層/ヤマト政権の外港と官道/埋もれた幻の難波宮/消えた上町台地の谷/坂の上にあった大坂/秀吉が選んだ天然の要害

3 地形歩きの極意
様々な視点で地形を楽しむ/◆高低差エレメント視点/◆アースダイバー視点/◆スリバチ地形視点/◆路地歩き視点/◆暗渠・川・水路跡視点/◆境界線視点/◆ドンツキ視点

Ⅱ 大阪の高低差を歩く  

大坂のはじまりの地
①上町台地の最先端[ 大阪城 ]
②堀川開削と町の拡張[ 道頓堀 ]
③低湿地と砂州を巡る[ 大阪駅 ]

上町台地の高低差巡り
④丘の上からの夕陽[ 天王寺 ]
⑤自然地形の谷巡り[ 阿倍野 ]
⑥古代地形を巡る[ 住吉大社 ]

水辺の跡に誘われて
⑦堺と古墳の丘[ 仁徳天皇陵古墳 ]
⑧消えた旧中津川[ 十三 ]

古代の海岸線を辿る
⑨スリバチ地形と湧水の丘[ 千里丘陵 ]
⑩大和の玄関口[ 柏原 ]
⑪河内を見守る生駒山地[ 石切 ]
⑫伊丹段丘の崖巡り[ 川西・伊丹 ]

[特別寄稿]皆川典久



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表紙にもなっている上町台地の先端部ですが、このエリアの古層には重要な遺跡が数多く眠っていますよね。このエリアだけでも本が一冊書けると思いますが、地形的にも変化に富んだ面白いエリアです。

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大阪駅のエリアは、低地と天満砂州のエリアがよくわかりますね。大阪駅は湿地帯だったので高架駅になって以降は、地盤沈下が深刻な問題になっていました。そんな事も書いています。

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湧水地が多かった上町台地ですが、現在確認できるのは天下茶屋の崖下のみです。ここは国有地で長い間空き地になっていましたが、開発が決まったと聞いています。今のうちに見ておいた方がいいかもですよ。

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東京では、地形本や雑誌が数多く出版されていますが、大阪にはそのような本がほとんどなかったように思います。名所旧跡を歩く歴史散歩とは違う切り口で、大阪の町の魅力をまとめてみました。書店に並びましたらお手に取っていただけると嬉しいです。



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生駒山地の磐座めぐり④ 交野山の磐座

2016年05月05日 08:30

絶景を独り占め!

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近くて遠い交野山。「かたのやま」ではなく「こうのざん」とよむ。

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あの山が交野山。

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周辺に駐車場がほとんどなく、かなり離れた場所に車を停めて登ることにした。

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途中にあった表示板。この辺りに横穴式の古墳が8基あったらしい。
周辺一帯は、機織を専業としてた渡来人の集落があったそうだ。

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柵の中には、整地のため破壊された古墳に埋葬されていた遺骨をまとめた塚がある。

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山頂へはこの道を上っていく。

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この道路は、交野カントリー倶楽部の私有地になる。道路が山頂近くまで続いているにもかかわらず車で入れないから、近くて遠いのだ。

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途中に滝があったりする。

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舗装道路で車もほとんど通らないので歩きやすいと言えば歩きやすい。

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いたどりの小路を。

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白旗池を見ながら進むと、

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こんな場所が。

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大岩(観音岩)などは、約8千万年前に地中深くで固まったマグマが地殻変動で約2百万年前から徐々に押し上げられたものだという。山全体が長い年月をかけて浸食と崩壊を繰り返しているのだ。

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ブッシュでわかりにくいが、描かれているものからさらに崩れたのかもしれない。

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周辺には同じような岩があった。

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さて、山頂はもうすぐ。

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結構きつい坂道が続く。

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右のおおきいやつが大岩(観音岩)。

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梵字が刻まれている。

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複数の岩が重なっている。

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何かを祀るために刻まれた穴だろう。

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交野山古代磐座址。
さあ、絶景を独り占めだ!

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左側。河内平野が一望できる。かすんで見えにくいが、大阪市内のビル群が見える。

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正面。枚方の方面になる。

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右側。樟葉や男山が見える。

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パノラマ!(2500 x 905)

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休日だったので、独り占めの時間は短かった…

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帰りは違う道で。

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なかなかこっちは急だ。

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足下に気をつけないと。

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このように岩がぼこぼこと積み重なっている感じだ。

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岩倉開元寺の多宝塔があったようだ。

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途中に大きな岩があった。

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その巨大岩の下を歩く。

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石仏の道を通ってみる。「摩崖阿弥陀三尊像(まがいあみださんそんぞう)」、室町時代のものだそうだ。

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「石像阿弥陀如来立像」

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「石像二尊立像」

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「石像彌勒物坐像」これは鎌倉時代のもの。

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という感じで下山。

交野山へは、津田駅が最寄り駅になる。
周辺に駐車場はほとんどないので、駅から歩くのが無難かもしれない。
近くて遠い場所だが、山頂からの眺めは必見。
縄文人もあの岩から河内湾を眺めていたに違いない。


(生駒山地磐座めぐり)
高尾山の磐座 2016.01.04
磐船神社・星田妙見宮 2016.01.11
太陽が昇る高安山 2016.01.17
交野山の磐座 2016.05.05

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