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三国の渡邊邸

2009年06月29日 07:00

時間が止まった場所、三国の渡邊邸

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阪急三国駅から少し北東に行った所に高須温泉があります。

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ええ感じのタイル文字♪
でもなぜ高須だかわかりますか?
そう、それはこの地域が元々
高須という地名だったからなのです。

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明治18年測量の地図です。字高須の文字が見えます。
黄色の道は能勢街道、橋は三国橋です。緑色は渡邊邸…。

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これは昭和4年頃の地図です。阪急三国駅が出来て、
駅を中心に町が発展していく様子がわかります。

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そして現在。三国駅は高架になり、駅前はロータリーとして整備中です。
今日は駅から約5分くらいの旧高須地域を歩いてみようと思います。

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ここは旧高須地区の真ん中あたり、ええ感じの門構えです。

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家の角にはお地蔵さんが祀られていました。
さっきまでこの石におばあちゃんが座って休んでました^^

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この辺りには古い旧家がいくつか残っています。

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おおっ、屋根の上にはこんな物が…
魔除けなのかな、にらまれちゃいました…^^

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大阪市内とは思えない風景でしょ。

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タイムスリップしてしまいそうです…。

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ただ、ところどころで緑のフェンスを見かけます。
この地域は現在区画整理事業が進んでおり、この旧道も
近い将来なくなる予定です。

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向こうになにやら茅葺っぽい屋根が見えてきました。

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ここが渡邊邸です。中は公開されていませんので、外からだけのご紹介です。

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この焼き板もええ感じでしょ。

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この渡邊邸は築400年以上といわれていて、
大阪市内ではおそらく最も古い民家だと思います。

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「わがまち淀川区の史跡・旧跡」より
渡邊家は鬼退治で有名な源頼光(みなもとのよりみつ)の四天王の一人、
渡邊綱(わたなべのつな)の子孫、渡邊久良左衛門源忠綱(天正10年、1582年没)が
構えた屋敷跡と伝えられています。

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この写真は貴重な室内の写真です。建物は母屋と長屋門、土蔵等で、
母屋の大黒柱には直径1m、長さ7mという松の梁があり、
スノコの天井は創建当時のままと伝えられています。
大阪府の重要建造物に指定されています。

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歩いていると、ここだけ時間が止まっているような錯覚に陥ってしまいます。

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これは桃かな?

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敷地内には大きなクスノキがあります。
風が吹くとザワザワと葉が音を立てます。

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気候のいい日に歩いたのですが、
とても気持ちのいい風が吹いていました。


(おまけ)
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『三国東地区土地区画整理事業』が進んでいますが、
計画を見ると三国温泉の場所は道路になる予定です。
ただ進捗率を見るとかなり遅れているようです。
今後の行方を見ていこうと思います。

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別のお宅でこんな方もおられました…。

(関連記事)
さよなら渡邊邸(渡辺邸)2012.11.10
渡邊邸(渡辺邸)母屋解体2012.10.11
渡邊邸(渡辺邸)母屋解体へ2012.10.10
渡邊邸(渡辺邸)解体中2012.10.06
渡辺邸が泣いている2012.10.03
渡邊邸(渡辺邸)解体へ2012.09.29
渡邉邸(渡辺邸)のいま2012.08.22
大阪府文化財指定の「渡辺邸」解体へ2012.04.26
三国の渡邊邸2009.06.29
facebook・渡辺邸(2009年6月撮影)

(関連サイト)
大阪市渡邊邸保存会
未来へつなごう、渡辺邸


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忘れられた梅田地下案内

2009年06月26日 07:00

忘れられた梅田地下案内

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梅田の地下街を歩いていて、
ふと、薄汚れた地図に目が止まりました。
古そうな地図やなぁと覗き込むと面白いものが…♪

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毎日大阪会館北館、南館?
「大毎地下劇場」と「毎日文化ホールの名画館」があったとこや。
この2つの名画座は1993年に閉館しています。
高校時代はここで年間100本近くの映画を観てました。思い出の場所です。
大毎地下劇場は主にメジャー系の二本立て。
毎日文化ホールはマイナーな映画が多かったように思います。
こっちはパイプ椅子でしたね^^

(関連サイト)
●『まぼろし映画館』  「大毎地下劇場」「毎日文化ホール
●『アトリエのむこうがわ

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おっ、こっちには新阪神ビルが載ってますよ。
現在のハービスENTがある場所ですね。

(関連サイト)
●『まにあっく阪神』  「新阪神ビルの解体」「ハービスENT開業

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大阪中央病院にダンスホールワールド

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ナビオ阪急の北野劇場、梅田劇場、梅田スカラ座。

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そして、東映会館
その上にめくれかけの文字に1998年春オープン予定と書かれています。
ダイヤモンド地下街の部分オープンかな?

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ちなみに地図のある場所はここから降りた

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ここ。


実は同じ地図がもうひとつありました。
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ヨドバシカメラの地下入口横です。

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こちらはめくれていませんでした。


でもこの地図って、僕らは懐かしく見れますが、
旅行者の方が迷わないか
ちょっと心配になっちゃいました…^^


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宮本輝の「骸骨ビルの庭」

2009年06月24日 07:00

宮本 輝の『骸骨ビルの庭』

村上春樹さんの『1Q84』が発売されて約1ヶ月、
やっぱり読んでおかなあかんかなぁと思っていたのですが、
昨日本屋で買ったのは宮本輝さんの『骸骨ビルの庭(上)』。
理由は単純です。舞台が「十三」なのですよ。

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すべての日本人が忘れられない記憶。

荒廃したビルに青年と子供たちが起した奇跡。
そこには、生き抜こうとする命が美しく輝いている。
 
現代人が失った純粋な生き方が、今、鮮やかに甦る。

住人たちを立ち退かせるため、
八木沢省三郎は管理人として骸骨ビルに着任する。
そこは、戦後、2人の青年が子供たちを育てた場所だった。
食料にも事欠き、庭で野菜を作りながら、
彼らは命を賭して子供たちと生きた。
成人してもなおビルに住み続けるかつての
子供たちと、老いた育ての親。
それぞれの人生の軌跡と断ち切れぬ絆が、
八木沢の心を動かす。

『骸骨ビルの庭(上) 』の帯より ←amazonにリンクしてます。

十三が舞台の小説は秋間平安さんの『漫才師殺人事件』などがありましたが、
上下刊の長編小説は初めてではないでしょうか。
それも宮本輝さんの小説です。
宮本輝さんの小説はひさしぶり。
学生時代に読んだ「青が散る」以来かな。
20数年ぶり…^^;
「蛍川」も読みましたが、「泥の河」は映画だけ…

今回は十三が舞台なのでとてもうれしいです。
今から読むのが楽しみ。
6月23日に発売されたばかりです。
関心のある方はいかがでしょうか。

(追記)
下も買いました♪
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自分は何のために、
そして、誰のために、
生きているのか?
心の奥底から溢れ出す
人間への讃歌!



すべての生きとし生けるものへ
贈る感動の長篇小説。


育ての親、阿部轍正は、
子供たちの一人、桐田夏美への性的暴行の汚名を着たまま、
苦悩のうちに死んだ。真相を求めて、八木沢は夏美の行方を追う。
過去の謎が謎を呼び、秘密は深まる。
一方、八木沢はビルにもう一度畑を甦らせようと一人耕し始める。
そして、小さな命が蕾をつけるとき、
骸骨ビルの本当の意味が明らかになる。

『骸骨ビルの庭(下)』の帯より ←amazonにリンクしてます。


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読み終えて、思った事をつらつらと…

とてもいい小説でした。
やはり泣いてしまった。

宮本輝さんはこの小説の舞台をなぜ十三にしたのだろう?

何の縁もゆかりもない戦争孤児達を育てた
阿部轍正と茂木泰造という人物が、
日本の福祉施設の草分け的存在である
博愛社の創設者、小橋勝之助氏と
その弟、小橋実之助氏に
重なって見えたのは私だけでしょうか。

小橋勝之助氏が私財を投げ打って
博愛社を創設したのが26歳の頃です。
しかし、志半ばで病いに倒れ短い生涯を終えますが、
その兄の意思を受け継いだのが弟の小橋実之助氏でした。

その兄弟愛のようなものが
阿部轍正と茂木泰造の関係に
なんとなく似ているものを感じました。

そのあたり、宮本輝さんに聞いてみたいです ^^


(宮本輝さんのインタビュー記事)
『語る:宮本輝さん 長編「骸骨ビルの庭」を刊行』 毎日jp


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