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今里屋久兵衛の十三焼

2010年04月01日 08:00

何も変えない 
何も変わっていない
今里屋久兵衛の十三焼


先日、お願いをして今里屋久兵衛の新本店にお邪魔させていただきました。

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十三焼きはすべて手づくり。
手際よくお餅の中にあんこがくるりんと包まれていきます。

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鉄板に焼ける数は決まってるのでその数を包んだら
すぐに鉄板の上に並べていきます。

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この火加減がたぶん難しい…たぶん。

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ほどよいタイミングでくるりんをひっくり返していきます。

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この焦げ目が旨さの秘密。絶妙な焦げ加減です!

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裏が焼けたらへらで白とヨモギ入りをペアですくって

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焼けた面を表にしてこちらへ。ここで冷まします。

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焼きたての時はふっくらしてますが

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すこし冷ますといつもの見慣れた「十三焼」の出来上がり♪

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焼いてる間に包んでいた団子をまた並べて焼いていきます。

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僕は焼きたてのをいただきました。( 特別にね… ^^; )

( ゚Д゚)ウマ~

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約280年間、ほぼ変わらないであろうこの形とこの味。
昔ながらの素朴な味が今まで伝えられているなんて、
奇跡に近いと僕は思っています。

honten.jpg
本店でももちろん買えるのですが、駅から結構離れているので
十三駅西口の改札前のお店で買うのがおすすめです。

余談ですが、本店にいるこの謎の石像。
昔からいる狸だそうです。(謎がまたひとつ解けた)

IMG_2218_2.jpg
僕はいつも10個入りのを買っています。
花見に十三焼を持っていくのもいいかも♪

tanuki_2.jpg
↑どこかで聞いたフレーズ……
あっ!「おせちもいいけどカレーもね」のパクリだ!


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さよなら今里屋久兵衛旧本店

2010年03月19日 08:00

さよなら今里屋久兵衛 旧本店

DSC07162_2.jpg
いつ解体されるのかと、ずっと気になっていたのですが、
先日から今里屋久兵衛旧本店の解体作業が始まっています。

DSC07261_2.jpg
店舗の移転からほぼ一年。
わかってはいたけど、やはりちょっと寂しい。

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在りし日の旧本店。
ずっとこの場所で約280年もの長い間、
ひとつの味を守ってきました。

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今は十三焼きという名前ですが、むかしはあん焼きとよばれていました。
もちもちで表面がパリッとしていて、中のこしあんは甘さ控えめでめちゃうまです。

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十三駅西口の改札から「お~い」って
声をかければ改札から出なくても買えますよ♪

DSC07247_2.jpg
現在の本店は旧本店から歩いて2~3分の場所です。
謎の石像が出迎えてくれます。とても古そう。


より大きな地図で 今里屋久兵衛 新本店 を表示

P1020115_2.jpg
生駒にあった十三屋わび助が今年1月で店を閉められたようです。
歴史あるこの味は今里屋久兵衛でしか味わえません。
小林一三氏も好きだった十三焼き。
ぜひ一度、食べてみてください。
280年間変わらない奇跡の味です。


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さよなら今里屋久兵衛

2009年02月16日 07:00

さよなら今里屋久兵衛

DSC01422.jpg

創業享保十二年(1727年)、あの今里屋久兵衛の本店が
3月をもって移転することになりました。しかしなくなる訳ではありません。
約280年続いている味と暖簾を守るための移転です。

では今里屋久兵衛とは
一体どういうお店なのでしょうか。


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この地に現在の淀川が完成したのは明治43年(1910年)、
来年でちょうど100年になります。それまでは中津川がこの地を流れており、
交通の要所でもあったこの場所は、絶え間なく人々が往来していました。
そこに初めて橋が架けられたのは明治11年(1878年)、
それまでは北岸と南岸を十三の渡しが結び、
その渡しを待つ人々が茶店に腰をかけ、
渋茶をすすって焼き餅を食べたのが「十三焼」の起こりです。

当時は南岸の渡し場が十三で北岸の渡し場は村から離れた場所にありました。
北岸の今里村に住む久兵衛がその渡し場の畔で茶店を開いたのが今から約280年前です。
長い年月の中で世の中は大きく変わってしまいました。
しかし同じ場所で何も変わらない味がここに残ったのです。
それが「十三焼」。ある意味、ひとつの味が280年間も続いているというのは奇跡に近い。
今里屋久兵衛とは、そんなお店なのです。

imazatomap.jpg
明治18年測量の地図です。中津川に架かる橋は明治11年に架橋された十三橋です。
その北詰に民家が見えますが、おそらくここが当時の今里屋久兵衛。
今里村は現在の十三元今里の辺りになります。
小嶋村に神社が見えますが、ここが現在の神津神社です。

(関連記事) 『元の十三の場所』

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「花の下影 幕末浪花のくいだおれ」より
江戸時代末期に描かれたものです。2人づれの旅人が店に入ろうとしているのでしょうか。
店の中ではあんをくるんでいる人と焼いている人が描かれています。
お餅も白と緑が描かれていますね。十三の渡しが奥に見えます。
本には十二代当主の今本フクさんのコメントが書かれていました。
「皮は米の薄いダンゴ。中にあずきのアンコがいっぱい詰まってまして、ひと口で食べられる。
あっさりした味は今も昔も変わりません。
ただ、昔は直径2センチぐらいやったが、今は3センチほどに大きゅうなった」

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「中津町史」より
大正時代の写真だと思われます。
昔の今里屋久兵衛の面影を見ることが出来る貴重な写真です。
現在の十三大橋(昭和7年完成)ができる前です。
この頃は橋を渡る人が多かったので、店も繁盛していたようですね。

(関連記事) 
『十三あん焼と十三焼餅』
『十三焼きは十三の歴史そのもの』
『十三大橋の渡り初め』

imazatoya_002.jpg
「米朝ばなし」より
昭和50年代の写真でしょうか。
お餅を焼いておられる方は古くから今里屋久兵衛で働いておられた方で、
現在の十三代目の良子(たかこ)さんも作り方を教わった方のようです。

DSC01430.jpg
お店で良子さんにお話をいろいろ伺いました。とても気さくでお話好きなお母さんです。

お母さんがまだ小さかった頃、店の前に立派な車が止まり、
背の低い人が後ろから降りてきて、10個入りの焼餅を買って行ったそうです。
後で聞くと小林一三さんだったとか。
またある日、店の奥からのぞくと着物を着た綺麗な女性が店内で焼餅を食べていました。
その方は当時松竹新喜劇の看板女優だった浪花千栄子さんだったそうです。
桂米朝さんはあまり甘いものは召し上がらなかったようですが、
ここの焼餅だけはお好きで食べておられたとか…。
「おかあさん、楽しいお話ありがとうございました^^」

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「思い出の十三 イラストマップ(部分拡大)」より
戦前の十三駅周辺です。駅前に「今里あんやき」の文字が見えます。
ある時期は十三駅構内でも売っていたそうです。
構内で売れるようになったのは、お母さんのおばあさんにあたる先々代が
小林一三さんに直接申し入れたそうです。すごいなぁ。

P1020022.jpg
現在は十三駅西口改札を出た場所にお店があります。
こちらはずっと営業していますので、「十三焼」を食べたことがない方はぜひどうぞ。
ちなみに10個入り630円です。
もちろん昔と作り方が同じなので余分なものが入っていません。
当日中に食べてくださいね。
オーブントースターで軽くチンすると めっさ美味しい!

DSC01418.jpg
新本店は4月頃、近くの場所に開店予定です。そのときにまた紹介します。
今里屋久兵衛がこの場所を去ることを「寂しくなる」とは書きません。

ありがとうございます。
伝統の味を守り続けてくれて。








…でもやっぱりちょっと寂しい





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新本店が2009年6月にオープンしました。
おめでとうございます♪
090620_01.jpg


より大きな地図で 今里屋久兵衛 新本店 を表示


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「十三焼」食わずして十三を語るなかれ

2007年09月22日 23:33

十三焼きは十三の歴史そのもの

十三駅西口改札の正面に実演販売のお店があります。創業は享保十二(1727)年。十三の渡しがあった渡し場で多くの旅人たちに親しまれてきた茶屋。そこの名物が今里屋久兵衛の十三焼きです。

その昔、十三は焼餅屋が多く『摂津名所図会大成』には「往還の人間断なし、名物として焼餅を売る家多し」とあります。その焼餅を売る店で、十三渡し北詰で今里村の住人であった久兵衛さんが始めて、評判をとり名物になったのが十三焼なのです。

その十三焼は、白とヨモギの二種類で中にあんこが入っていて、表面に軽く焼いた焦げ目がついています。10個入りで630円、一口で食べれる大きさです。そのまま食べるもよし、家に持ち帰るならオーブントースターでカリッと焼けば、また一味違ってさらに美味しく召し上がれます。

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十三橋北詰めにあった今里屋久兵衛

マップ今里屋
思い出の十三地図・昭和10年~20年ころ

駅十三焼
十三駅西口改札前にある今里屋久兵衛の店舗

今里屋
十三大橋北詰めの本店。こちらでも十三焼きは買えますよ。

焼餅



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