このエントリーをはてなブックマークに追加

一夜官女祭

2010年02月22日 08:00

大阪府指定文化財
野里住吉神社 一夜官女祭

IMG_1698_2_20100221005137.jpg
2月20日、野里住吉神社で一夜官女(いちやかんじょ)祭が行われました。
これは、全国的にもたいへん珍しい人身御供(ひとみごくう)の神事で、
大阪府指定文化財に登録されています。区分は民俗文化財の行事になります。

IMG_1699_2.jpg
簡単に解説しますとその昔、風水害と悪疫に苦しんだ村人は毎年定めの日に白矢の打ち込まれた家の娘を唐櫃(からびつ)に入れ深夜神社境内に放置しました。これが人身御供です。要は人間を神の生け贄にしたわけです。

7年目の準備をしている時、ひとりの武士がこの村を訪れ、自分が身代わりになるといい、コイ、フナ、ナマズ、餅、酒、小豆、干し柿、豆腐、大根、菜種菜と共に、神社に放置されました。

翌日、唐櫃は壊れ周囲が血に染まり、血の点々と続く跡をたどると、武士は中津川の下流、申(さる)村(此花区伝法)で絶命していました。その後村には風水害と悪疫が無くなり、村人は感謝の気持ちを込めて、そのことを神事として現在まで伝えているのです。

ichiya.jpg
「西淀川今昔写真集」より
これは大正15年の一夜官女祭の写真です。貴重ですね。

nozato_03.jpg
場所はJR塚本駅の西側です。槲(かしわ)の橋というのは、旧中津川に架かっていた橋で、小さな石碑が残っています。

nozato_02.jpg
明治18年測量の地図を重ねると、こうなります。

nozato_01.jpg
中津川はよく氾濫していたので、人身御供の伝説も真実みがあります。

さて、
IMG_1434_2.jpg
ここは姫里にある一夜官女祭當矢。
ここに7人の官女が待機していて、神主さん達が迎えに来られます。

IMG_1531_2_20100221005221.jpg
當矢で儀式が行われ、そのあと神社まで行列が進んで行きます。

DSC07110_2.jpg
桶を担いでいるのが見えますが、この中にコイやフナ、ナマズ等の神饌(しんせん)が入っています。

DSC07114_2.jpg
官女達はご両親と共に歩いて行くわけですね。

DSC07138_2.jpg
先頭の方は笙(しょう)を鳴らしています。おごそかな雰囲気の行列です。

IMG_1548_2.jpg
野里住吉神社に到着。

IMG_1552_2.jpg
そのまま本殿に向かいます。

IMG_1565_2.jpg
今年は休日と重なったので見物の方も結構多かった。

IMG_1584_2.jpg
この担いでいるのが唐櫃なのかな。

IMG_1667_2.jpg
本殿へは一般の人は入れませんので、外から覗き見。

IMG_1665_2.jpg
神前に官女たちがちょこんと座ってました。

IMG_1673_2.jpg
こちらで、厳かに神事が行われる訳ですが、

IMG_1681_2.jpg
私は前からこの祭りのことは知っていましたが、見るのは今回が初めて。
祭という名前が付いていますが、どちらかというと神事が粛々と厳かに執り行われてといった感じでしょうか。

IMG_1680_2.jpg
本殿では神事が行われていますが境内には人がなくなってしまった。

IMG_1691_2.jpg
本殿の裏に、一夜官女の乙女塚があります。
ここには昔「龍の池」があって、そこに娘達が運ばれました。
とても悲しいお話ですが、そのことを今の時代まで語り継がれている
この一夜官女祭はとても心に残る祭りになりました。


より大きな地図で 一夜官女祭 を表示
一番下にある印が旧申村。昔は中津川の最下流域の村でした。

(関連記事)
結構おもろい伝法』記事の内容は違いますが、広域地図を見ていただくと、野里村と申村の位置関係がわかります。

(追記)
西宮市の岡太神社でも同じような神事があるようです。一時上臈(いっときじょうろう)というそうで、西宮市指定重要無形文化財に指定されています。野里でも一時上臈と呼ばれていた時期があったようですし、地理的にも近いので、何らかの関係があったのかもしれませんね。


ポチッと、応援よろしく♪
bahiru_wink3.gif
スポンサーサイト



このエントリーをはてなブックマークに追加

野里のだんじり

2008年08月04日 07:30

野里のだんじり

野里の住吉神社には、3台の地車(だんじり)と枕太鼓が1基あります。7月31日、8月1日が夏祭りで、すこしだけのぞいてきました。

文章の途中ですがクリック。→ [ 人気ブロランキング ]  
ランキングページには面白いブログがいっぱいありますよ。
いつもクリックありがとうございます。 (+10ポイントがめちゃ嬉しいです。)


DSC02757.jpg
ここが野里の住吉神社。淀川改修工事以前は、神社の右手が中津川の堤防でした。関心のある方は「消えた中津川 1 野里篇」を参照ください。

北
北之町の枕太鼓です。

DSC02833.jpg
たたき方がカッコええ!

西
西之町の二枚式幕地車(だんじり)です。刺繍幕が豪華です。刺繍幕を飾るのは淡路島方面の影響を受けたのではないかといわれています。昔の野里の地車は3台とも二枚式幕地車だったそうです。

DSC02805.jpg
カッコええですね。

中
こちらは中之町の地車です。悲運のだんじりと言われたこともありました。野里地域のだんじりは昭和40年代後半~50年代に太鼓しか祭りに参加しないさびしい時代があったそうです。そんな中、昭和52年に中之町地車は11年ぶりに町中を練り歩き、地元に活気を与えました。しかし、翌年の1月11日に地車庫から出火し、無残な姿になってしまったのです。出火原因は放火でした。しかし、平成元年に見事に復活しました。

DSC02797.jpg
彫刻が見事です。屋根の上の鬼板(飾目-シカメとも呼ばれる)は怖い顔ほどエエらしい。

DSC02790.jpg
立派な彫刻でしょ。

DSC02793.jpg
エエ仕事をしています。

東
こちらは今年の宮入のトリをつとめた東之町のだんじりです。

DSC02703.jpg
昼間の曳行の時は小さい子も乗せてもらってました。「うれしそう!」

DSC02721.jpg
方向を変える時はこんな感じで傾けて曲がります。

DSC02826.jpg
これは国道2号線を渡るところ。走りながら一気に駆け抜けていきます。



北之町の宮入


西之町の宮入


中之町の宮入。最後の太鼓橋を渡るシーン。


東之町の宮入。他にもアップしてますので、関心のある方はYouTubeで。
http://jp.youtube.com/jusojin

応援よろしくおねがいします→ 『人気ブログランキング』




(おまけ)
DSC02764.jpg
「気持ちよさそーッ!」

DSC02771.jpg
ガブの木