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ダイビル本館が出現!

2012年01月12日 08:00

ダイビルのあのアールが
復活したのであ~る。


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ダイビル本館の鉄骨がかなり組上がってきました。

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西側にまわると旧ダイビルのあのアール部分が復活している。

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不思議な感じです。
昔のダイビルとそっくりなシルエットで鉄骨が組まれています。
東面がやや短いですが…

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屋上部分にはさらに鉄骨が組まれている。

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完成予想を見るとその上にガラス張りの上層階部分ができるのがわかる。

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田蓑橋からの眺めです。
以前の場所からズズズッと東側にスライドしています。

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ある意味、今の状態が一番面白いかもしれないな。

旧ダイビルの外壁やレリーフ、エントランスの一部は再利用される予定です。
いまからそれらの復活が楽しみになってきた。
竣工は来年2月、今年はちょこちょこ進捗を見ていきたいと思います。

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再び美しいライトアップを見てみたいですね。


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ダイビルの歴史

2009年03月09日 07:30

ダイビルの歴史

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ダイビル解体のカウントダウンはすでに始まっています。市民の反対の声は結局企業のトップには届かなかったのでしょうか。もう少しで取り壊されてしまう大阪の近代名建築「ダイビル」とはいったいどんな歴史をたどってきたのでしょうか。

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ダイビルの始まりは大阪商船(現商船三井、大阪商船は住友系)の本社社屋の新築計画が発端です。大正7年に現在の地をビル建築用地として購入。ちょうどその頃、神戸支店の社屋も平行して建築することになり、大正9年に起工、大正11年に完工しています。それが現在も残る商船ビルヂング(設計:渡辺節)です。

大阪商船の本社社屋は単に本社のオフィスを充てるだけでなく、できるかぎり大きなビルを建築し、余ったスペースを賃貸するという貸室兼業を考えていました。しかしそれを自力で行うにはリスクが伴います。そこで他社にも事業の参画を呼びかけました。それが宇治川電気日本電力で、大正12年、大阪商船150万円、宇治川電気100万円、日本電力50万円の出資で、株式会社大阪ビルヂングが設立されたのです。(当時の宇治川電気社長と日本電力社長は大阪商船の出身者でした。)

こうして大正13年4月に起工、大正14年(1925)9月17日、地上8階、地下1階、高さ31メートル、延床面積3万2231�と西日本随一の大阪ビルジング(昭和64年1月1日、ダイビルと改称)は完成したのです。

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「大阪市パノラマ地図」より
大正12年頃の田蓑橋南詰めのダイビルの場所には倉庫が描かれています。浪華倉庫といい、そこから土地を購入しています。その前は鳥取藩の蔵屋敷でここにもその名残である「船入」が描かれています。

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「ふるさとの想い出写真集 大阪」より
完工当時の写真と思われます。大正14年完工というと、まさに大大阪の幕開けと同じタイミングです。当時はアールの部分にも入口があったようです。左奥には朝日会館が見えます。

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「ダイビル七十五年史」より
当時としては最先端の耐震耐火構造を採用し、内部の主要壁体はすべて強固な耐震壁にしています。設計者の渡辺節氏は「ダイビルは大阪で最初の耐震構造を有する建築物である」と語っています。
この写真、田蓑橋が真新しいですね。昭和4年に鉄筋コンクリート造に架け替えられていますのでその頃の写真でしょうか。

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ネオロマネスク様式のダイビルは正面入口の装飾が特に印象的です。半円アーチの上に飾られている少女の像は大国貞蔵作の「鷲と少女の像」、建物の格調を高めています。

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軒蛇腹(のきじゃばら)と、窓台にはテラコッタが使われており、渡辺節氏のすすめで大阪陶業が研究し製造に成功したもので、国産テラコッタの始まりなのだそうです。

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1階に並んだ彫刻が刻まれている円柱や角柱などは、播磨の竜山石が使われています。ダイビルの建築資材は全て国産品でそろえられていました。今の時代ではほぼ不可能な仕様ではないでしょうか。

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「ダイビル七十五年史」より
完工当時の玄関ホールです。内装も格調高く出来ています。

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現在も当時とほぼ同じ雰囲気が味わえます。(この写真は2階から)

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「ダイビル七十五年史」より
大正15年には、最上階の西側半分に在館者のための社交場が出来ています。この写真は大ビル倶楽部社交室。天井や床、壁の装飾がすごいです。この他に読書室や休憩室、娯楽室、食堂、ビリヤード、理髪店なのが配され、英国中世の優雅な雰囲気を醸し出していました。

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「ダイビル七十五年史」より  大ビル倶楽部特別食堂の写真。
左壁面の装飾がすごく気になります。1階の彫刻と関連があるのでしょうか。

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「ダイビル七十五年史」より  大ビル倶楽部休憩室の写真。
このアールの窓を外から見つけることが出来ませんでした。どこの場所だったんだろう。

(追記)
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ここかも。

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「ふるさとの想い出写真集 大阪」より
本館と同時に2階建ての西館も建設されています。一階はタクシーの車庫として太平均一タクシーに賃貸し、2階は大ビル西食堂として副業を行っていました。しかし営業不振ですぐに他に営業委託をしましたがうまくいかず、昭和12年には閉鎖されています。

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「ダイビル七十五年史」より  大ビル食堂の写真。
本館8階にも食堂がありました。こちらは昭和19年12月に解散しています。
(戦時中なので実質それ前に営業ができなくなっていたのではないでしょうか)

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「ダイビル七十五年史」より
ダイビル新館は昭和10年に起工し、昭和12年に完工しています。日本は世界恐慌以降低迷していた不況から脱出し、賃貸需要が増加していた時代です。

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「ダイビル七十五年史」より
大阪大空襲を免れ終戦。昭和26年からオイルスタンドを経営していたこともあったようです。モービル石油を販売していましたが昭和39年直営を廃止、その後も譲渡先が昭和62年まで営業を続けていました。写真にはアメ車らしき車が見えます。

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「ダイビル七十五年史」より
昭和30年頃の写真です。この頃になると周りには同規模のビルがたくさん建設されています。ちょっと目立たない存在になっていたのでしょうか。

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しかし、ダイビルが完工して約85年、周りの建物がどんどん超高層ビルに建て変わっていく中で、ひときわ存在感を増してきているように感じます。本当にこれを壊しちゃうの?

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ビルの中も今のうちに見納めしておかないと…

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この売店もなくなっちゃうんですね。結構好きだったのに…。

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一階の大阪名品喫茶「大大阪」も4月11日(土)で閉店だそうです。

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こんな夜景はもう見れなくなるんですね。隣と同じようなビルになってしまうのか…

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こんな名建築はもう二度と出てこないのでしょうね。


(追記)
「なにわ今昔」より(昭和20年6月1日の大阪大空襲の写真)
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戦時中の大空襲で大阪市内は壊滅的な被害を受けました。昭和20年3月13の大空襲ではダイビルにも100発以上の焼夷弾が屋上や建物付近に投下されています。直ちに大ビル特設防護団員が出動して、多数のホースで消火活動を行い火災を喰い止めました。

ダイビルが残ったのは奇跡に近い。



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