2012年12月23日 14:30
大阪アースダイバー
上町台地の高低差を歩こう!
9. 四天王寺と谷底

上町台地の中心辺りに位置する四天王寺。西側が崖のようになっており、南側にも谷のような場所がある。

その谷の西の延長線上に茶臼山の川底池があります。もしかすると縄文時代は水路のようになっていて、大阪湾と東側の河内湾がここで繋がっていたのかもと想像が膨らむ。

念のため広域の地図で見てみた。中心部の青い場所が川底池。東側の緑色の低地部分が入江のように奥まで入り組んでいるのがますます怪しい…。

さて、国道25号線です。この坂は天王寺七坂の逢坂でもあります。四天王寺の西大門から見て真西になる。

四天王寺の西門石鳥居。その向こうに西大門(極楽門)がある。かつてはこの門から難波の海が一望でき、海に沈む夕陽が見えたといいます。中世以降、その夕陽を拝しながら極楽浄土を思い浮かべる「日想観(じっそうかん)」の一大行場になりました。現在も秋分の日に伝統行事である「日想観」が行われています。上町台地で太陽信仰が盛んになるのはとても自然なことかもしれない。

托鉢する修行僧。

中心伽藍の金堂と五重塔。

四天王寺の創建は飛鳥時代、推古天皇元年(593)。

聖徳太子により日本最初の官寺として建立されました。

境内にはその聖徳太子を祀るお堂があります。前殿には十六歳像・太子二歳像が、奥殿には太子四十九歳像が祀られている。

とてもすっきりした砂庭。

境内案内図です。

南側の仁王門(中門)。

奥に五重塔。その奥に金堂がある。

ハルカスも見えますね。

こちらは石舞台と六時礼讃堂。共に国の重要文化財です。

亀井堂と亀井不動堂。右側の亀井堂には金堂の地下より湧く白石玉出の水があり、供養を済ませた経木を流せば極楽往生が叶うといわれています。撮影禁止の表示があったので撮りませんでした。前はあんなのなかったよな…

こちらは亀井不動堂。参拝者が絶えないお不動さんです。

南大門の手間に気になる場所が。

この石は熊野権現礼拝石というようで、熊野詣に向かう人は、まず四天王寺を詣で、ここで熊野の方向に礼拝し、熊野までの道中安全を祈ったといわれています。

熊野権現礼拝石の解説板。

日本最初庚申尊(こうしんそん)。そういえば、石鳥居の横にも「大日本佛法最初四天王寺」の碑がありましたね。

気になりますね。行ってみましょうか。

南大門です。こちらにも「大日本佛法最初四天王寺」の碑がありました。

南にまっすぐ行くと下り坂になっています。ここからが地図にあった谷の辺りです。

谷底に位置する場所に庚申堂の山門がある。

本邦最初庚申尊。

四天王寺庚申堂です。
「南大門より南へ200m。四天王寺庚申堂は日本最初の庚申尊出現の地といわれ昔から日本三庚申の一つとして知られております。庚申の日に本尊に祈れば必ず一心叶えられるといわれております。境内の三猿堂には見ざる聞かざる言わざるの三猿が祀られ、病にまさる魔が去るとして信仰されております。(四天王寺HPより)」
ん?百度石の上にもお猿が。

言わざる。

右が見ざる。

聞かざる。

四天王寺庚申堂と深く刻まれた水盤。

何やら気になる場所が。

なぜか七福神と大黒さんが祀られていました。

さて、庚申堂の山門近くにこのような場所があります。

清水地蔵尊とその奥に清水の井戸。

「谷の清水」と呼ばれている場所です。

水の水面が高かった。柄杓ですくえます。

ここはすり鉢状の谷底の辺り。南側は隆起している。

北側も隆起しています。

谷底沿いを西の方へ歩いて行きました。公園にも段差がある。

ゆるかやな隆起。

地形の変化を楽しみながら歩くのがアースダイビングの面白さでもあります。
より大きな地図で 上町台地の高低差を歩こう を表示
【 上町台地の高低差を歩くシリーズ 】
上町台地高低差マップ一覧(Facebook)
1. 上町台地高低差マップ 2012.12.3
2. 住吉大社周辺を歩く 2012.12.4
3. 帝塚山古墳周辺を歩く 2012.12.6
4. 阿部野神社周辺を歩く 2012.12.8
5. 聖天山正圓寺・阿倍野墓地周辺を歩く 2012.12.11
6. 阿倍野周辺を歩く 2012.12.13
7. 天王寺公園周辺を歩く 2012.12.16
8. 安居神社・清水寺周辺を歩く 2012.12.19
9. 四天王寺周辺を歩く 2012.12.23
10. 愛染堂・大江神社周辺を歩く 2012.12.29
11. 生国魂神社周辺を歩く 2013.01.11
12. 空堀商店街周辺を歩く 2013.01.18
13. 松屋町筋・龍造寺町周辺を歩く 2013.01.22
14. 鶴橋・上本町周辺を歩く 2013.02.04
15. 真田山周辺を歩く 2013.02.11
16. 三光神社・旧真田山陸軍墓地周辺を歩く 2013.02.18
17. 玉造・森之宮周辺を歩く 2013.02.24
18. 大阪城周辺を歩く 2013.03.02
19. 八軒家浜周辺を歩く 2013.03.11
20. 難波宮跡周辺を歩く 2013.03.24
21. 天王寺〜桃谷周辺を歩く 2013.04.15
番外編:ノバク・野漠の窪地
番外編:空堀を探せ
【 大阪アースダイバーを歩くシリーズ 】
1. 宇宙船イワフネ号と磐船神社 2012.11.20
2. 太陽の女神と上町台地 2012.11.25
(関連記事)
『大阪アースダイバー出版・ようこそ中沢新一さん』 2012.10.13
『大阪アースダイバーへの道』 2010.04.25
『アースダイビング in 上町台地』 2010.04.11
『アースダイビング in 大阪城』 2010.04.30
『アースダイビング in 生國魂神社』 2009.04.16
『アースダイバー in 大阪』 2009.04.12
ポチッと、応援よろしく♪
上町台地の高低差を歩こう!
9. 四天王寺と谷底

上町台地の中心辺りに位置する四天王寺。西側が崖のようになっており、南側にも谷のような場所がある。

その谷の西の延長線上に茶臼山の川底池があります。もしかすると縄文時代は水路のようになっていて、大阪湾と東側の河内湾がここで繋がっていたのかもと想像が膨らむ。

念のため広域の地図で見てみた。中心部の青い場所が川底池。東側の緑色の低地部分が入江のように奥まで入り組んでいるのがますます怪しい…。

さて、国道25号線です。この坂は天王寺七坂の逢坂でもあります。四天王寺の西大門から見て真西になる。

四天王寺の西門石鳥居。その向こうに西大門(極楽門)がある。かつてはこの門から難波の海が一望でき、海に沈む夕陽が見えたといいます。中世以降、その夕陽を拝しながら極楽浄土を思い浮かべる「日想観(じっそうかん)」の一大行場になりました。現在も秋分の日に伝統行事である「日想観」が行われています。上町台地で太陽信仰が盛んになるのはとても自然なことかもしれない。

托鉢する修行僧。

中心伽藍の金堂と五重塔。

四天王寺の創建は飛鳥時代、推古天皇元年(593)。

聖徳太子により日本最初の官寺として建立されました。

境内にはその聖徳太子を祀るお堂があります。前殿には十六歳像・太子二歳像が、奥殿には太子四十九歳像が祀られている。

とてもすっきりした砂庭。

境内案内図です。

南側の仁王門(中門)。

奥に五重塔。その奥に金堂がある。

ハルカスも見えますね。

こちらは石舞台と六時礼讃堂。共に国の重要文化財です。

亀井堂と亀井不動堂。右側の亀井堂には金堂の地下より湧く白石玉出の水があり、供養を済ませた経木を流せば極楽往生が叶うといわれています。撮影禁止の表示があったので撮りませんでした。前はあんなのなかったよな…

こちらは亀井不動堂。参拝者が絶えないお不動さんです。

南大門の手間に気になる場所が。

この石は熊野権現礼拝石というようで、熊野詣に向かう人は、まず四天王寺を詣で、ここで熊野の方向に礼拝し、熊野までの道中安全を祈ったといわれています。

熊野権現礼拝石の解説板。

日本最初庚申尊(こうしんそん)。そういえば、石鳥居の横にも「大日本佛法最初四天王寺」の碑がありましたね。

気になりますね。行ってみましょうか。

南大門です。こちらにも「大日本佛法最初四天王寺」の碑がありました。

南にまっすぐ行くと下り坂になっています。ここからが地図にあった谷の辺りです。

谷底に位置する場所に庚申堂の山門がある。

本邦最初庚申尊。

四天王寺庚申堂です。
「南大門より南へ200m。四天王寺庚申堂は日本最初の庚申尊出現の地といわれ昔から日本三庚申の一つとして知られております。庚申の日に本尊に祈れば必ず一心叶えられるといわれております。境内の三猿堂には見ざる聞かざる言わざるの三猿が祀られ、病にまさる魔が去るとして信仰されております。(四天王寺HPより)」
ん?百度石の上にもお猿が。

言わざる。

右が見ざる。

聞かざる。

四天王寺庚申堂と深く刻まれた水盤。

何やら気になる場所が。

なぜか七福神と大黒さんが祀られていました。

さて、庚申堂の山門近くにこのような場所があります。

清水地蔵尊とその奥に清水の井戸。

「谷の清水」と呼ばれている場所です。

水の水面が高かった。柄杓ですくえます。

ここはすり鉢状の谷底の辺り。南側は隆起している。

北側も隆起しています。

谷底沿いを西の方へ歩いて行きました。公園にも段差がある。

ゆるかやな隆起。

地形の変化を楽しみながら歩くのがアースダイビングの面白さでもあります。
より大きな地図で 上町台地の高低差を歩こう を表示
【 上町台地の高低差を歩くシリーズ 】
上町台地高低差マップ一覧(Facebook)
1. 上町台地高低差マップ 2012.12.3
2. 住吉大社周辺を歩く 2012.12.4
3. 帝塚山古墳周辺を歩く 2012.12.6
4. 阿部野神社周辺を歩く 2012.12.8
5. 聖天山正圓寺・阿倍野墓地周辺を歩く 2012.12.11
6. 阿倍野周辺を歩く 2012.12.13
7. 天王寺公園周辺を歩く 2012.12.16
8. 安居神社・清水寺周辺を歩く 2012.12.19
9. 四天王寺周辺を歩く 2012.12.23
10. 愛染堂・大江神社周辺を歩く 2012.12.29
11. 生国魂神社周辺を歩く 2013.01.11
12. 空堀商店街周辺を歩く 2013.01.18
13. 松屋町筋・龍造寺町周辺を歩く 2013.01.22
14. 鶴橋・上本町周辺を歩く 2013.02.04
15. 真田山周辺を歩く 2013.02.11
16. 三光神社・旧真田山陸軍墓地周辺を歩く 2013.02.18
17. 玉造・森之宮周辺を歩く 2013.02.24
18. 大阪城周辺を歩く 2013.03.02
19. 八軒家浜周辺を歩く 2013.03.11
20. 難波宮跡周辺を歩く 2013.03.24
21. 天王寺〜桃谷周辺を歩く 2013.04.15
番外編:ノバク・野漠の窪地
番外編:空堀を探せ
【 大阪アースダイバーを歩くシリーズ 】
1. 宇宙船イワフネ号と磐船神社 2012.11.20
2. 太陽の女神と上町台地 2012.11.25
(関連記事)
『大阪アースダイバー出版・ようこそ中沢新一さん』 2012.10.13
『大阪アースダイバーへの道』 2010.04.25
『アースダイビング in 上町台地』 2010.04.11
『アースダイビング in 大阪城』 2010.04.30
『アースダイビング in 生國魂神社』 2009.04.16
『アースダイバー in 大阪』 2009.04.12
ポチッと、応援よろしく♪

スポンサーサイト